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今から40年前、1980年には第1子出生時の母親の平均年齢は約26歳でしたが、現在は30歳を超え、大学生までの子どもがいる子育て世代の年齢も幅が広がっています。
決まった時期に必要になる教育費は計画的に準備することが大切ですが、40代に入ると、住宅ローンや親の介護費用、老後資金なども考えなくてはならなくなってきます。
「この先、我が家は大丈夫?」と心配な方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、子育て世代がお金を賢く貯める、おすすめの貯蓄方法をご紹介します。
低金利が続く昨今では、全般的に利息には期待ができません。かつ投資にまわす金額がとれないとなると、税制優遇などで有利な点があり、長期間に渡って積立できるものを優先するのが基本的な戦略になるでしょう。
教育資金といってまず思い浮かぶのは、貯蓄型保険の学資保険です。お金を増やすことは期待できませんが、決まった額を強制的に積み立てるので、貯金が苦手な方でも計画的にためられるのがひとつのメリットです。子どもの進学にあわせてあらかじめ祝い金や満期保険金の設定ができるので、管理も楽です。
多くの学資保険についている大きな特徴は、契約者(親)が死亡(高度障害を含む)の場合、以降の保険料が免除になり、祝い金や満期保険金は予定通り受け取れること。万が一のときでも子どもの教育資金が確保できる安心があります。また、学資保険は生命保険料控除の対象になるので、節税対策になります。
学資保険をえらぶ際には、家計と子どもの進学を考慮し、
といったことをポイントにするとよいでしょう。
学資保険代わりに教育資金をためる方法として人気の貯蓄型保険が、低解約返戻金型終身保険(ていかいやくへんれいきんがたしゅうしんほけん)です。通常の終身保険に比べて保険料払込期間の解約返戻金が低くなっている分、保険料が割安という特徴があります。
保険料の払込期間中に被保険者が死亡(高度障害含む)の場合は、死亡保険金が受け取れます。保険料を安く抑えて貯蓄性を高めるために、被保険者を子どもにすることもありますが、契約者(親)死亡時に学資として死亡保険金を家族に残すためには、被保険者を契約者である親自身にする必要があります。
こちらも生命保険料控除の対象であり、保険料払込後の解約返戻率は多くが100%を超える点がメリットといえます。また、学資保険と違い、払込期間を調整して解約返戻金を受け取る時期を自由に決められることや、教育資金に使わなかった場合も継続して貯蓄を続けると返戻金が増え、老後資金にまわすこともできます。
しかし、保険料の払込期間中に解約すると大きく元本割れする可能性があり、途中解約して他の保険に切り替えにくいというデメリットがあります。
貯金が苦手な方でも計画的に貯められる点では、財形貯蓄制度の活用もおすすめです。財形は勤務先が制度を導入している場合に利用できる福利厚生のひとつで、給与から天引きされるので自動的に貯蓄ができます。
一般財形に非課税枠はなく、住宅財形と年金財形では550万円までにかかる利子が非課税になりますが、そもそもの利子が低く、税制優遇の恩恵は受けにくいといえます。
大きなメリットもデメリットもないですが安定性は高いので、大きなライフイベントや住宅購入、老後資金などに備える貯蓄のひとつとしてやっておくと、安心を得られるでしょう。
現在の生活費に余裕があり、当面使う予定のない貯蓄がある場合は、投資で少しずつ増やしていくことも考えましょう。
「NISA」「つみたてNISA」「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は少額から投資を始めやすく、非課税枠があるのがメリット。投資信託の収益には通常約20%の税金が課せられますが、非課税枠の範囲内ではこれがかからない分、お得なのです。
投資についてある程度知識があり、短期~中期で運用して増やしたいという方は、NISA(一般NISA)がおすすめです。
最長5年、年間120万円まで投資でき、株式・投資信託などの配当・譲渡益などが非課税対象となります。購入できる商品も豊富なので、近い将来に備えたい人に向いているといえます。
中期~長期で月3万円くらいまでをコツコツ手堅く投資して、教育費、住宅購入、失業リスクや病気など将来に備えたいという方にはつみたてNISAがおすすめです。
最長20年、年間40万円まで投資でき、購入できる商品は金融庁が指定した長期・積立・分散投資に適した投資信託に限られているので、投資知識のない初心者にも始めやすい制度です。
老後資金をためる場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)がおすすめです。NISAやつみたてNISAに比べて、掛金が全額所得控除など節税メリットが大きい点が特徴です。
原則60歳まで解約や引き出しができないので、予定外の出費には対応できませんが、その分お金がたまりやすいといえます。収入額が大きく退職金が少ない方には、節税効果が大きく老後にお金を受け取れるiDeCoが合っています。
2020年度の税制改正によって、NISAとiDeCoを含む確定拠出年金の制度が見直されました。おもな改正ポイントをご紹介します。
NISAは、2024年より2階建ての制度(新NISA)になります。1階は年間20万円までの運用益が5年間非課税となり、つみたてNISAと同様の商品が対象、終了後はつみたてNISAへの移行が可能に。2階は年間102万円までの運用益が5年間非課税となり、個別株や株式型投資信託に投資できます。原則2階の非課税枠を利用するためには1階での積立投資を行う必要があります。
iDeCoに関しては、企業型確定拠出年金(企業型DC)加入者は企業の規約で定めがなければiDeCoに加入できませんでしたが、拠出限度額の範囲内(企業型DCのみの企業は月額5.5万円、確定給付型企業年金と企業型DCを併用している企業は月額2.75万円まで)であれば、企業の規約の定めなしで加入できるようになりました。
これにより、多くの会社員がiDeCoを活用できるようになります。また、加入年齢の上限が60歳から65歳に、受け取り可能年齢の上限が70歳から75歳まで延長され、加入・受け取りの幅が広がりました。
今回の改正によって、より多くの人がNISAやiDeCoを活用し、長期に渡って安定した資産形成がしやすくなります。しかし、人によってメリットのある場合、メリットのない場合があるので、自分の場合はどうかについてよく調べることが大切です。
将来に備える積立や投資についてご紹介しましたが、大切なのは、現在の家計を考えて無理のない貯蓄を続けることです。
現在の家計では老後に十分な貯蓄ができないという不安があるかもしれませんが、老後は貯蓄を切り崩すだけでなく、どのように仕事をするか(収入)もあわせて考えていくことで、より安定した生活を維持していけると思います。
2021.09.02 11:17 | |
2021.09.02 11:29 | |
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