出産と育児~産後うつと育児に関連するストレスをどう緩和する?

出産と育児~産後うつと育児に関連するストレスをどう緩和する?

皆さんは「産後うつ」という言葉を聞いたことはありますか?こどもを出産後、数か月以内に発症する「鬱病(うつ病)」のことを指す言葉です。人によって異なりますが主な症状をご紹介します。

鬱病(うつ病)

  • 気分が落ち込む、抑うつ状態
  • 感情の浮き沈みが激しい
  • イライラし怒りがち
  • 無気力、集中力が減退する
  • 食事の過度な増減(食べられない、食べ過ぎる)
  • 睡眠の過度な増減(眠れない、寝すぎる)
  • 身体の疲弊、暮らしや新生児のケアが対応できない状態
  • 死や自殺について考える

出産後女性の身体内では女性ホルモンが著しく減退し大きくバランスが崩れます。結果、脱毛や肌荒れなど身体的な変化も伴いますが、うつ病のような精神的変化にも繋がる一因とも言われています。 また、新生児のケアが始まり生活が一変し、睡眠時間の確保が難しくなるなど時間のコントロールやご自分のケアが難しくなります。

加えて、パートナーや家族からのサポートが不足する等により、一層孤立した状態に陥ることも要因の1つと考えられています。

原因は1つと決められませんが、産後うつは誰が起こってもおかしくはありません。厚生労働省の調査(健やか親子21)では、出産した女性の10人に1人は発症していたことも明らかになってきました。国内研究機関によっては、コロナ禍によって発症者の数が加速した傾向があるとも提言されています。社会の変化に沿って、子育ての出発地点の様子にも影響が及んでいます。

産後うつだけではない、育児とどう向き合うか

産後うつに限らず、育児に関連する「変化」に目を向けていく必要があります。いくつかの変化に分類してお伝えします。

鬱病(うつ病)育児が始まることで起こる変化

時間の使い方
育児・家事の時間が増加します。言葉通りではありますが難易度があがるのは、時間のコントロールが難しくなることです。段取りを組んでいたとしても不測の事態が起きることは多く、予測ができない時間の使い方を体感します。
感情の動き方
乳幼児期のこどもたちに論理的な理解を求めても納得や前進はできず、自分の想いや感情を説明しても伝わらない、という状況はコミュニケーションの難しさを生み出します。
行動範囲の変容
こどもの生活に沿っておこなう行動が多発します。乳幼児のオムツ替えやミルクを飲ませるという行為から、予防接種受診や子育て広場へいくなど、こどもを通して「初めておこなうこと」や「初めて行く場所」との接点が急増します。

終わりが見えない変化が継続的に続くことや、働くことと並走させることによって、ストレスを抱えることもあるでしょう。

鬱病(うつ病)変化に対してどのようなことを意識するのがよいか

子育ても介護も同じように、ケアが必要な人たちが家族内に生まれることによって、これまでと同じようにできていた範囲や状況が変わっていきます。

その変化がストレスに感じたとき、どのような意識や行動によって少しでも緩和ができそうなのか一緒に考えてみましょう。

ひとりで抱え込まない=困っていることを伝える
自分は今何に困っているのか、どういう助けを必要としているのか、誰に助けて欲しいのか、そんな心の声を、まずは表に出して、伝えていきましょう。
サポーターを見つけていく
病院、学校、地域の遊び場、友人、習い事など、こどもを通じたコミュニティやオンラインなどで、同じ悩みや迷いを抱える人、変化をなんとか乗り越えた人、ライフイベントの先を行く人と繋がっていきましょう。一歩踏み出すことで味方やサポーターを見つける機会になればと思います。

出産、育児と変化に富む生活の豊かさと難しさは確かにあります。それに関わるストレスを緩和するために、困りごとを伝え合い、共にサポートできる関係性を、家族の中・外につくっていけたらと願っています。

2023.04.25 20:48
2023.04.25 20:49
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