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血糖値とは、血液中に含まれる「ブドウ糖(グルコース)」の量のことです。ブドウ糖は、人間の体に不可欠なエネルギー源ですが、とりすぎると高血糖の原因となり、そのまま放置すると糖尿病になるおそれがあります。
糖尿病は膵臓から分泌される血糖値を下げる役割のあるインスリンというホルモンの分泌量が少なくなったり働きが弱くなったりすることで、血糖値が下がらなくなる病気です。糖尿病の怖いところは、無自覚のまま合併症が進行することです。
高血糖を放置すれば血管や細胞が傷み、失明や腎不全、神経障害、更には動脈硬化から心筋梗塞や認知症、足の壊疽(えそ)などを引き起こす原因となります。
肥満は直接血糖値上昇に関係します。正常な血糖値を維持するためには、バランスのよい食生活と運動習慣が大切です。
血糖値を上げる原因は、食べ過ぎや運動不足だけではありません。過労や不規則な生活、ストレスなども大きく影響します。特にストレスを受けると人間の体は、自分を守るためさまざまなホルモンが分泌して血糖値を上げようとします。ストレスを軽減させるリフレッシュ方法を見つけるのも効果的です。
血糖値スパイクとは、食前の血糖値が正常に近いのに、食後に血糖値が急上昇することです。この状態を放置しておくとやはり糖尿病の悪化から合併症を引き起こす可能性が高まります。
血糖値スパイクを起こしやすい人は、糖質過剰摂取や早食い、食事を抜くなど食生活が不規則な人、慢性的な運動不足、ストレスを抱えている人などです。基本的に無自覚、無症状ですが、人によって食後に眠気を感じたり、すぐにお腹がすいたり、イライラをもよおすこともあります。
予防のカギは、毎日の食生活です。
まず3食をしっかり食べること。朝食を抜いて昼食や夕食でドカ食いするとインスリン分泌に支障をきたします。食事の間隔をできるだけ均等にすることで、血糖値の上昇を抑えることができます。
血糖値上昇を抑えるおすすめの食べ方は、野菜を最初に食べる「ベジファースト」。
1番に野菜・きのこ類・海藻類などを食べ、2番目に肉・魚・大豆製品などのたんぱく質、そして最後に糖質を含むご飯などの主食という順番です。
主食も白米ではなくミネラルなどが豊富な玄米や雑穀米を選ぶと良いでしょう。
山いもに含まれる食物繊維「ムチン」は、血糖値だけでなくコレステロール値も下げ、便秘解消も期待できます。また「サポニン」、「アルギニン」は、脂質の吸収を抑える効果もあります。ただし、取りすぎは糖質過剰につながるため適量の摂取を心がけましょう。
オクラにも「ムチン」や「ガラクタン」、「ペクチン」などの食物繊維が豊富です。血糖値上昇を押さえ、便秘や下痢の解消、疲労回復効果のほか、免疫力を高めることがわかっています。
その他、海草やきのこ、モロヘイヤなどのネバネバ食品は糖尿病に対し有利な食材です。
監修:かたやま内科クリニック 片山隆司院長先生
2019.05.30 14:37 | |
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