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圧力鍋(Pressure cooker)
蓋と本体を密封させて空気や液体が逃げない状態で加熱し、大気圧以上の圧力を加えること(加圧)で短時間においしく調理できるようにした鍋の一種。圧力の調整には金属製のおもりなどが使われる。加圧する際には水の蒸気圧を利用するので、無水調理には適さない。
圧力鍋、使ってみたことがありますか? 本体と蓋が密封できるようにつくられていて、加熱によって圧力がかかると中身の沸点が上昇していきます。そうなると、沸騰前であっても中の温度は100度以上になっているので、中身は早いタイミングで高温/高圧力になるのです。これによって食材にどんな変化が起こるかというと、野菜なら細胞壁が、肉類ならタンパク質や繊維が、それぞれ早く破壊・分解されるため、短時間での調理が可能になります。
調理時間は、一般的な鍋の3分の1~4分の1程度。たとえば白米を炊くなら加圧時間は4~5分で十分です。野菜や豆の煮物、カレーやシチュー、とろとろの角煮、鶏ガラでつくるスープストック、骨まで食べられる魚料理などなど、ある程度の水分がある煮込み系の料理なら、どんなものでも短い時間で仕上がります。密閉されているため放熱も少ないので、内部が高温になったらすぐに火を止めても、余熱だけで調理が進むというメリットも。しかも加熱中、通常の鍋よりも中の食材の動きが少なくてすむという特長もあります。短い時間で静かに調理できる、つまり、煮くずれもしにくいというわけです。
高圧に耐える必要があるので分厚いステンレスやアルミ合金などの金属が用いられ、重量感はあります。また、容量が小さすぎると安全で効率的な加熱調理ができなくなるのでサイズも大きめ。そのため、「扱いにくそう」「収納しにくそう」とためらう人もいるかもしれませんが、実際に使ってみるとそういったデメリットを補って余りある利点があるのです。ちなみに、蓋を密閉せず圧力をかけない状態で炒め物などに用いても焦げ付きが少ないので、食材を炒めてから水分を加えて加熱、といった調理にも向いています。
圧力鍋は、「持っているけどほとんど使っていない」という人の率が高いキッチン用品の代表的存在ともいわれます。使わない理由のひとつに、「使い方が難しそう」という思い込みがあるようです。もちろん、高温・高圧力になるので使い方を誤れば思わぬ事故につながる可能性はあるでしょう。でも、普通のフライパンや鍋も、不用意に使えば事故は起こるわけですから、圧力鍋のメリットが大きいことを考慮すれば「使わないと損!」ですよね。
実際の使い方は製品によって異なるので説明書を熟読する必要がありますが、共通するポイントがいくつかあります。まず、加熱する際は蒸気口につまりがないのを確認すること(次に使うときのために、使用後は蓋や弁をしっかり洗っておくことも重要です)。火にかけたら最初は強火で加熱し蒸気がシューッと出てきたらここからが「加圧時間」。弱火にし、タイマーで時間をはかります。火を止めても、シューシューと蒸気が上がっているうちは加圧が終わっていないので、蓋を開けたりおもりにふれたりしてはいけません。あら熱が取れてシューシューしなくなるまで放置します。
また、安全に調理できる分量は鍋の3分の2程度。材料と水分(煮汁)の合計が鍋の深さの3分の2以下になるように調整します。ただし、豆類やひじき、切り干し大根などは水分を含むとかさが増えるため、材料と水を合わせた量が鍋の深さの3分の1に収まるように注意しましょう。
蒸し板を使えば、蒸し鶏や蒸し野菜なども短時間でおいしくできます。水分量が少なすぎると空焚きになってしまうので、「中火で10分加熱すると約200ccの水が蒸発する」ということを目安にし、蒸し料理の場合はあらかじめ300ccほどの水を入れておいてから加熱するとよいでしょう。
肉をお皿に並べたら、ソースをたっぷりかけます。ソースは、しょうが・にんにく(1片ずつ)のみじんぎりをごま油(大さじ1)で炒め、砂糖、しょうゆ、中華の顆粒だし(和風だしや昆布つゆでもOK)、酢、刻んだ小ネギなどを好みで加えた中華風がぴったり。ゴマだれでバンバンジー風に仕上げるのもおすすめです。蒸した後に残った蒸し汁もスープとして活用しましょう。
2019.07.13 13:12 | |
2019.09.05 22:22 | |
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