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そろそろ冬本番。寒さが厳しくなり、つい家のなかにこもりがちですが、 じつは今こそ自然観察が楽しい季節。
冬の野山は虫やヘビなど危険な生き物に出会う確率が低くなり、また落葉樹林では葉が落ちて見通しがよくなり、春夏に比べて生き物を観察しやすくなるのです。
とりわけ野鳥の観察は冬がベストシーズン。ふだんは深い山にいる野鳥がエサを求めて里へ降りてくるため、見慣れない鳥に出会えるチャンスが増えるのです。
黄色から明るい茶色のグラデーションもかわいらしいアオジも、冬になると里に降りてくる野鳥のひとつ。草むらやヤブで「ジッ、ジッ」と地鳴きしていることが多く、声のする方向を見守っていると姿を見ることができるはずです。
林のなかに小さな群れか1羽でいるシメも、冬近くなると北海道から本州にやってくる冬になると野鳥。公園や人家の庭先にも現れます。
日本では北海道で繁殖し、ずんぐりむっくりとした姿で、サイズはスズメより大きめ。羽色は茶色の濃淡にグレーのポイントで黒が入っていて、目とクチバシのあたりにも黒い隈取りが見られます。
シメの特徴は太く鋭いクチバシの力。カエデやムクノキの硬い種を割って、中身を巧みに取り出してついばみます。鳴き声は「チチッ」「ツイーッ」と鋭い声。
大陸から海を超えて飛来する渡り鳥にも出会えます。シベリアから大群で渡ってくるツグミは、その代表格。田畑や里山で越冬し、都市部の公園でも頻繁に姿が見られます。
地面を跳ねるように歩き、立ち止まっては胸を張る動作が特徴。こうして地中の虫やミミズをとり、古くは跳馬とも呼ばれました。熟したカキやピラカンサの実も大好きで、赤い実を啄む姿も絵になります。
一方、川や湖、池などの水辺にはマガモ、キンクロハジロ、ユリカモメ、マガンなどの水鳥がやってきます。
マガモのオスは頭が緑色で胸元は茶色、黄色い嘴が特徴です。メスは地味な褐色系。「グワッ、グワッ」とアヒルによく似た声で鳴きます。「カモがネギ背負って......」のカモはマガモのこと。
日本では古代から食用とされ、鴨鍋やすき焼きとして愛されてきました。波間に浮かぶマガモを観察しながら、そんなことを思い浮かべるのは不謹慎かもしれませんが、自然と食文化の繋がりを意識するのも大切なことかもしれません。
キンクロハジロもカモの仲間で、黒と白のツートンカラー。後頭部にチョロンとついた冠羽もかわいらしく、金色の目が印象的な水鳥です。観察していると、突然頭から水に潜る様子が!
じつはキンクロハジロはエサを取るため水に潜る潜水ガモ。そんな性質を知ると、観察するのがますますおもしろくなってきます。
身近な自然、身近な場所で棲息する生き物を知ると ふだん見ていた景色が一変。新たな世界がひらけます。最近はスマートフォンアプリで野鳥観察に役立つ図鑑アプリも多数。
無料から有料までバラエティ豊かで、なかには鳴き声で判定できるアプリも。いろいろ試して野鳥観察のお供にしてもよいでしょう。
2021.12.17 21:01 | |
2021.12.17 21:05 | |
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