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病気ではないけれど、ちょっと疲れた、ストレスがたまっている、不安がある、眠れない…、そんな身体の不調を感じたら、植物のパワーをかりてみませんか。
心と身体をリラックスさせる自然療法として「アロマテラピー」が注目を集めています。
そもそも、私たちの先人たちは、病気を治したり予防したりするために植物を使っていました。ヨモギをもんで傷口につけたり、冬至に柚子のお風呂に入ったりするのは、植物を使った自然療法の一つです。それが19世紀に入り、西洋の医学が発達したことで、植物の有効成分をまねて人工的に作られた化学薬品が植物のかわりに薬として使われるようになったのです。
化学薬品は、病巣に対して直接的に働きかけます。大事な仕事があるから今すぐ熱を下げたい、そう思って解熱剤を飲んだことのある人もいるのではないでしょうか?
しかし、病気というほどではない身体の不調には、薬を飲むというわけにはいきません。そこで今再び、自然療法が注目されているのです。
アロマテラピーの基本であり、欠かせないのが「精油(エッセンシャルオイル)」です。精油とは、植物の花や葉、果皮、樹皮、種子、根などから抽出した100%天然の芳香物質です。
1つの精油には数十から数百種類もの有機化合物が結集しており、さまざまな効能がつまっています。
植物が芳香物質を含んでいるのは、同じ場所に根を生やし続けるという植物の生態に理由があります。外敵である昆虫や鳥から身を守るために、彼らが嫌う香りを放ちます。
自ら移動して受粉することはできないので、昆虫や鳥を香りで引き寄せて受粉を手伝ってもらいます。
気温や湿度の変化に順応するために水分調整をしたり、傷を修復したり、生きるエネルギー源そのものにもなっています。精油には、この植物の「生きる力」が凝縮されているのです。
植物の「生きる力」をちょっとだけ拝借して、心身のバランスを整えるのがアロマテラピーです。
ただし、精油の効能は良いことばかりではありません。使えば使うほど良いというものでもありませんし、特定の疾患にはふさわしくない精油もあります。
使う濃度にも注意が必要です。正しい扱い方を知った上で、安全に楽しみましょう。
また、アロマテラピーは病気を治す「治療」ではありません。あくまでも補完代替療法です。
重い症状がある、病気が疑われるなどの場合は、医師の診察を受けてください。
アロマテラピーは、自宅で簡単に楽しむことができますが、肌刺激がある精油や使い方に注意が必要な精油もありますので、正しい知識が必要です。ここでは、初心者でも安心して楽しめる方法をご紹介します。
浴槽にぬるめのお湯をはり、大人の場合は精油を3~5滴たらし、よくかきまぜてから入浴します。バスルームいっぱいに香りがひろがりリラックスするだけでなく、血行促進を促し、筋肉の緊張をやわらげます。また、むくみの緩和にもおすすめです。
風邪をひいたかな?と思ったら、マグカップを使って蒸気吸入を。熱めのお湯をはったマグカップに、精油を1~3滴たらして、湯気を吸入します。
なかなか眠れない夜には、ティッシュペーパーに精油を1滴落として、枕元に置いてみましょう。
このほかにも、アロマ・トリートメントやハウス・キーピング、虫よけなど、幅広い楽しみ方があります。
アロマ製品を扱っているお店にはたいていアロマの専門家の販売員がいますので、詳しい使い方など相談してみるとよいでしょう。
2021.07.05 20:29 | |
2021.07.05 20:30 | |
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