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「ムードフード」という言葉をご存じでしょうか。2023年に飲食業界で注目されているキーワードのひとつで、Mood(気分・情緒)とFoodを組み合わせた造語。簡単に言うと「気分を変える(リラックスできる)食べ物や飲み物」のことです。
さまざまな栄養素をバランス良く摂ることが体の健康につながるのは言うまでもありませんが、食品成分のなかには心にも影響がある(=Moodを変える)要素がいろいろあります。
たとえば、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニン、脳や神経の健康維持に役立つオメガ-3脂肪酸、精神を落ち着かせるグリシン、抗ストレス作用があるGABAなどが挙げられます。
ムードフードを生活に取り入れるには、そうした栄養素を含む食品を積極的に食べることです。具体的に、おすすめの食べ物・飲み物を見ていきましょう。
緑茶に含まれる旨み成分・テアニン(アミノ酸の一種)を摂ると、リラックス状態を示す脳波(α波)が出て、ストレス緩和に役立つといわれています。安眠効果も期待できます。リラックスしたいときにお茶を飲んでゆっくりするのは理に適っているのですね。
玉露や抹茶など高級な茶葉ほど多くのテアニンが含まれるようですが、煎茶でも十分なので、おいしくゆっくり味わってみましょう。
ハーブの薬効は昔から世界的に知られています。料理に入れたりハーブティにして飲んだり香りを嗅いだりとさまざまな使い方ができますが、ムードフードとして手早く取り入れるならハーブティがおすすめ。
ストレスや不安を和らげるレモンバーム、安眠を促すカモミール、疲労回復効果のあるローズヒップなどが知られていますが、効能だけでなく「好きな味」「きれいな色味」に注目するのもよさそうです。
乳製品もムードフードのひとつなので「ハーブミルク」を寝る前に飲むのもおすすめ。小鍋で温めたミルクにスペアミント、レモンバーム、カモミール、ローズマリーなどの中から好きなハーブを入れて1分ほど置くだけです。お好みで蜂蜜を足してみましょう。
「え、チョコレート!?」と驚かれるかもしれませんが、原料となるカカオにはセロトニンの原料となる必須アミノ酸トリプトファンが含まれるため、精神の安定につながります。
ストレス軽減などの働きが期待できるGABA(アミノ酸の一種)も含有しており、大手メーカーが「ストレス社会で闘うあなたに」というキャッチコピーでGABA成分の多いチョコレートを販売して大ヒットしたことからも、チョコレートのストレス緩和効果には注目が集まっています。
ちなみに、GABAはトマトやバナナ、発芽玄米、発酵食品(ヨーグルト、納豆、漬け物など)にも含まれていますよ!
ナッツ類には、精神を安定させてやる気を起こさせる物質の合成に必要な成分チロシンをはじめ、ホルモンのバランスを整えるビタミンE、ストレスに対抗する脳内物質の原料となるマグネシウムやビタミンB6などが豊富に含まれています。
特におすすめなのはアーモンドとくるみ、カシューナッツやピスタチオ、ピーナッツも◎です。食べ過ぎはもちろんNGですが、仕事や家事の合間のちょっとしたおやつにミックスナッツをつまんでリラックスしてみましょう。
ムードフードは厳密に定義されているわけではなく「食べて元気が出る」「リラックスできる」ことが大切。たとえば大好きなものを食べていい気持ちになったり、いい香りや美しい盛り付けなどで脳が活性化したりすれば、それもまた幸せな気分につながるのではないでしょうか。
何か特定のものを「頑張って食べる」のではなく、「おいしいな」「楽しいな」「のんびりできるな」などと感じながら、自分の精神に必要な栄養素を含むものをバランスよく食べたり飲んだりすることが大切なのではないでしょうか。
「ちょっと疲れがたまっているな」「最近、眠りが浅いかも」などと感じたときは、リラックスできる時間と空間をあえてつくり、ムードフードで元気になってくださいね。
2023.09.14 20:57 | |
2023.09.14 20:59 | |
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