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スーパーやデパートの調味料売り場には、どれにするか迷うほどの塩が並んでします。
インターネットでも販売サイトが多数存在し、料理に合わせて塩を使い分ける人も増えているようです。
天然の塩は人体に欠かせないミネラルをバランスよく含むだけでなく、味わいも豊かで、料理の味に大きく影響します。どんな塩を選び、どんな風に使うかで、日々の食卓はもっと豊かになることでしょう。
塩に対して「健康によくない」「控えるべき」と感じる人は多いのではないでしょうか。
日本では、1997年に塩の専売法が廃止されるまで、自由な製造・輸入・販売が禁止され、その間、主に流通していたのは精製塩でした。
これは工業的に作られた食塩を防湿したもので、天然の塩に本来含まれる豊富なミネラル分は加工の過程でほとんど取り除かれていました。健康によくないという印象はそんなところに起因するのかもしれません。
ところが今は違います。2002年には塩が完全自由化され、美味しくて健康にもいいさまざまな塩が手に入るようになっているのです。
塩にこだわる人が増えてきて、専用のソルトミルもあれこれ出回っています。
塩を形容するのに用いられる「天然」「自然」などの表現には、じつは明確な定義がありません。
一般には、自然に結晶した塩、塩田で作られた塩、湿った塩、などを指す場合が多いようですが、国産・輸入品ともにさまざまな塩が手に入り、選択の基準が難しくなってきたことを受け、2008年に公正取引委員会が塩の表示に関するルールを決めました。
今はまだ施行後の猶予期間に該当しますが、今後は製造方法や原材料などが明確に表示されるとともに、「天然塩」「自然塩」「ミネラル豊富」「健康によい」などの曖昧な表現は廃止される方向です。
世界的に見ると、産出量の大半を占めるのは岩塩(下表参照)ですが、岩塩を所有しない日本では、瀬戸内海や九州・沖縄などを中心に、さまざまな方式で海塩が作られています。
一時はこの伝統的な製法が失われかけた時期もありましたが、今はまた各地で美味しい塩が生み出されています。
こうした国産塩のほか、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど各国から輸入される塩にもそれぞれに特徴があり、まさに塩加減ひとつで料理の味が変わるといっても過言ではないのです。
岩塩は、アメリカ、ドイツ、イタリア、モンゴル、パキスタンなどさまざまな産地のものがあります。ヒマラヤ岩塩なども有名です。
選択肢が豊かになった分、塩をどのように選ぶかは迷うところ。まずは何種類か試してみて、自分がよく作る料理や食材にマッチする塩を探しましょう。
「魚介には海塩、肉には岩塩」「パスタを茹でるなら岩塩がおすすめ」といった大まかな基準を、インターネットやお店で教わるのも一案。
また、たとえば世界的に有名な「ゲランドの塩」にも、取れたままの大粒塩から、細かい顆粒状にしたものなど形状による違いがあります。
こうした形状に注目して、小粒は肉や魚の下味に、大きめの粒は料理の仕上げやサラダのアクセントに、といった使い分けをするのもよいでしょう。
2021.07.29 10:28 | |
2021.07.29 10:29 | |
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