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肌寒くなると恋しくなるのが、あたたかい煮込み料理。湯気の立つポトフやシチューが冷えた体を芯からあたため、心もほっこりなごやかに。こうした洋風の煮込み料理を一段も二段もおいしくするのが「ブーケガルニ」や「エルブドプロヴァンス」といったハーブミックスです。
今はメーカーが工夫を凝らしたものも市販されており、これを使うだけでも味わいがアップしますが、自分でつくればおいしさは段違い! 使うハーブの種類や配合を自分好みにアレンジもできるのです。
まずご紹介するのはブーケガルニです。シチューに使われるので、聞いたことがあるという人も多いでしょう。複数のハーブやスパイスを束ねたもので、フランス語で「香草の束」を意味します。
ブーケガルニは単に料理に香りづけするだけではなく、肉や魚の臭みをとりのぞき、味わいにこくと深みを与える働きもあるのです。
ブーケガルニが活躍するのは、シチューだけではありません。ポトフやブイヤベース、カレーなどの煮込み料理だけではなく、肉や魚の下ごしらえ、スープベースをとるなど日常の調理にも大変に役立つのです。
つくり方はとても簡単!いくつかのハーブや香味野菜を、煮崩れないよう散らばらないようタコ糸で縛るだけ。これを肉や魚、野菜と一緒に鍋に入れて、じっくりコトコト煮るだけでOK。ポイントは苦味が出る前に引き上げることです。
ブーケガルニに使うハーブや香味野菜に「絶対」というルールはありません。それぞれの家庭で、また料理に合わせて組み合わせるものは異なります。ただフランスでも、これは欠かせないというハーブはいくつかあるようです。それがローリエとタイムとローズマリーです。
ローリエは香りのベースをつくるもの。ドライのホールがスーパーなどでも手に入りますので、常備しておくと便利です。ただし量が多すぎると香りが主張しすぎるので、1回に使うのは2枚程度にするとよいでしょう。
タイムは独特の香りで臭みをマスキングします。魚介にはたっぷり多めに使います。ドライでもよいのですが、これはフレッシュを使いたいところ。香りの清々しさが違います。
これもドライよりフレッシュがおすすめです。これらのハーブに、イタリアンパセリやセロリ、ネギ、ショウガやニンニクを、その時々で合わせます。いろいろ試して自分好みの組み合わせを見つけるのも楽しいものです。
ローズマリーは圧倒的な香り。フレッシュは軽く撫でるだけでも香りが漂うほど。それだけに量の加減が大切です。多すぎると素材の風味まで覆ってしまいますから、少なめが正解でしょう。
そしてもうひとつ、お薦めしたいのが南フランスのハーブミックス、エルブドプロヴァンスです。
タイム、ローズマリー、フェンネル、バジル、ローリエ、マジョラム、セージなど南フランスでとれるハーブをブレンドしたもの。ざっくり刻んだものから細かく砕いたパウダーまでタイプはいろいろで、配合もつくる人でそれぞれです。
魚のソテーやスープ、ラタトゥイユなど、肉や魚にも、たまごや乳製品、野菜にも使えてオールマイティー。仕上げに振りかけるのではなく、加熱など調理の段階で使用します。加熱前のマリネにも重宝します。これさえあれば、味付けは塩だけでも十分に味に深みが出ます。
少しだけハーブやスパイスを常備しておくだけで、日常の食卓に彩りを与えるハーブミックス。お家でも挑戦してみませんか。
2023.11.06 20:10 | |
2023.11.06 20:11 | |
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ハーブ, 香草 |