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天高く馬肥ゆる秋。晴れた空には絹のような雲が浮かび、空気もすっきり澄んで、お出かけに絶好の季節となりました。
そこでおすすめしたいのが、ワイナリーを訪ねる小さな旅。いま、日本の各地では、その土地の気候風土を反映したワイン造りが行われていて、国際的にも高い評価を得るワインが次々と生み出されています。
そのなかでも注目したいのが、それぞれの村で育った「おらが村」のブドウで仕込んだワイン。
ソーヴィニヨンブラン、シャルドネ、ピノノワール、サンジョベーゼなど、こだわりをもって栽培され土地の気候風土を反映したブドウが、ワインに個性をもたらし印象深い味わいに仕上げます。
ワイナリーのブドウ畑では、今が収穫の真っ最中。
蔓を這わせたブドウ棚には果実がたわわに実り、摘み取られるのを待っています。
ひと房ひと房手作業で摘み取られた果実は、すぐにワイナリーに運ばれて破砕され発酵へ。醸造家の手で育てられ、ワインとしてリリースされる日を静かに待ちます。
今回訪ねたのは長野県北部、高山村にある「信州たかやまワイナリー」。
自然豊かな松川渓谷と、その扇状地に広がる里山の風景が魅力的なこの土地で初めてシャルドネが栽培されたのは1996年。3ヘクタールほどの畑からワイン用ブドウづくりの一歩が踏み出されました。
もともと高山村はリンゴやブドウの栽培が盛んな土地柄。冷涼で昼夜の気温差が大きく年間降水量が少ない気候、砂礫質で水はけのよい土壌、長い日照時間などの恵まれた自然条件は、ワイン用ブドウの栽培にも最適。
この風土を生かした村ぐるみの取り組みが成功を収め、今やワイン用ブドウの栽培面積は県内でも有数の規模に。2016年にはワイナリーも完成し、ここで醸し出されるワインは国内外のコンクールで上位入賞するなど、高い評価を得ています。
ブドウ畑の真ん中にあるワイナリーを訪ねると、まずは澄んだ空気と心洗われる景色に、誰もが心奪われるはず。はるかに続く緑のブドウ畑と眼下に広がる田園風景。その向こうには北信五岳や北アルプスが堂々とそびえ立ちます。
畑を眺めながらワイナリーの建物に入り、品種ごとに小規模のタンクで仕込まれる様子を眺めれば、ワインの味わいへの期待が高まります。テイスティングも可能なので、あれこれ試してお気に入りの一本を探してみてはいかがでしょう。
例年10月くらいに、高山村はちょうど紅葉が見ごろになります。松川渓谷を彩る山々は錦をまとったように美しく色づきます。
また、リンゴをはじめとする村内の果樹園では収穫体験なども。今年は11月10日(年によって日にちは変わります)に、高山村産ブドウのワインと高山村の秋の実りを楽しめるイベント「信州高山"秋のおごっそに乾杯"」も開催されます。
高山村には個性の異なる8つもの温泉があり、それらを巡るのも楽しみの一つ。
また、高山ジビエを楽しめるカフェや、高山村で収穫された蕎麦を挽きぐるみで味わえる蕎麦専門店、ワインはもちろん野菜やフルーツ、キノコなど地元の特産品を買えるスポットも。
このほかにも、日本各地にブドウ畑のなかのワイナリーが点在。レストランやカフェを併設している施設も。
収穫や仕込みで活気に満ちる秋から初冬、ワイナリーを訪ねるおいしい旅はいかがでしょう。
2019.10.10 20:34 | |
2021.09.17 12:36 | |
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