パプリカ~食卓を鮮やかに彩る肉厚の甘い夏野菜

パプリカ~食卓を鮮やかに彩る肉厚の甘い夏野菜

2019.07.07 13:13
2019.07.26 15:42
雑記・雑学

パプリカ(paprika)

ハンガリー生まれのナス科の多年草。果実および果実からつくられる香辛料を指す。トウガラシの一栽培品種だが辛味はなく、肉厚で甘みがあり、生でも煮込んでもおいしい。日本で一般に流通している赤、黄、オレンジのほか、紫、茶色などの品種もある。

きれいなベル型をした色鮮やかなパプリカが、旬を迎えています。パプリカはナス科トウガラシ属の栽培品種ですが、トウガラシの辛味成分であるカプサイシンは含まれていないため、辛くありません。果皮はややかためですが、切ってみると肉厚の果肉には果汁がたっぷり、糖度も高いので生でもおいしくいただけます。

形はピーマンによく似ていますが、パプリカはピーマンよりも肉厚で大型、ジューシーで甘味が強いのも特徴です。ちなみに、ピーマンというと緑色が一般的で、独特の苦味と青臭さがありますが、じつは緑のピーマンは未熟なうちに収穫したもの。完熟させると赤や黄色などのいわゆる「カラーピーマン」になり、甘味が増してクセもなくなります。

パプリカの栄養素はこれまたピーマンに似ています。ピーマンは、柑橘系やいちごなどのフルーツに負けず劣らず豊富なビタミンCを含んでいますが、完熟したカラーピーマンやパプリカはそれよりさらに上。ビタミンCは緑ピーマンの約2倍、若返りのビタミンともいわれるビタミンEは5倍も含んでいます。また、ビタミンCというと「加熱によって破壊される」という性質が知られていますが、ピーマンやパプリカにはビタミンCを壊れにくくするビタミンPという成分も含まれているため、加熱調理をしても栄養素が失われにくいという特徴もあるのです。

独特の苦味がある緑色のピーマンがニガテという人でも、甘くクセのないパプリカならおいしく食べられるのではないでしょうか。栄養価も緑ピーマン以上に豊富なのですから、野菜の苦手なお子さんにも積極的に食べさせてあげたいですね。

生でも焼いてもおいしいパプリカを、もっともっと食卓に

甘味が強くクセがないパプリカは、煮ても焼いても揚げてもOKの万能野菜。生のままでおいしくいただけるのもうれしいところです。レタスやキュウリなどのグリーンに、赤やオレンジの鮮やかな色合いが加わることで、見た目にも美しいサラダができあがります。オーブンやフライパンで加熱するととろ~っとしたやわらかい食感になってさらに甘味が引き立ち、ドレッシングもより絡みやすくなるので、加熱してからサラダやマリネ、ピクルスなどにするのもおすすめです。

基本的にはヘタと種を取り除けばそのまま調理できますが、マリネやサラダなど生に近い状態で味わう際には皮をむくと食感がよくなります。真っ黒に焦げるまで直火やオーブンで焼き、氷水で冷やしてから剥くこともできますが、深めの鍋にパプリカを丸ごと入れて少量のオリーブオイルを加え、蓋をして全体をまんべんなく蒸し焼きにし、火を止めて、蓋をしたまましばらく置いておくと薄皮がきれいにむけます。お試しあれ。

パプリカを生んだハンガリーでは、シチューに似た名物料理「グヤーシュ」をはじめ、日々の料理にパプリカが多用されます。グヤーシュには生のパプリカも使われますが、それ以上に欠かせないのはスパイスとしてのパプリカ。スパイスのパプリカは、種子を取り除いた赤パプリカを乾燥させて粉末にしたもので、料理に加えると食欲をそそる鮮やかな赤色をつくりだしてくれます。味や香りが穏やかなので大量に投入しても料理の味に影響することがなく、しかも、煮込んでも色は変わりません。生のパプリカも、同様に、加熱しても色が変わらないため、果肉もスパイスも、料理を鮮やかに彩ってくれる色彩としても重要なのです。

グヤーシュ?をつくってみよう!

牛肉のグヤーシュ

グヤーシュはハンガリーを代表する家庭料理のひとつなので、レシピは数え切れないほどあります。必ず使うのはスパイスの「パプリカ」ですが、材料は牛肉、豚肉、ベーコン、豆などバリエーション豊か。水分が多くさっぱりしたスープ系もあれば、水分を減らしてシチューのようにこってりさせる場合もあるそうです。

中でもポピュラーなのは牛肉のグヤーシュ。玉ねぎ、にんじん、にんにく、じゃがいも、牛肉などを使い、カレーをつくるような要領で煮込んでいきますが、トマトと、赤や黄色のパプリカを加えるのが特徴です。もちろん、スパイスのパプリカもたっぷり加えて、鮮やかな色に染めましょう。味付けは塩とこしょう(キャラウェイシードやクミンを加えて風味付けしても!)、そして、食べるときにサワークリームを添えてもいいそうです。「グヤーシュ」で検索するとレシピもいろいろ出てきますので、ぜひつくってみてください。

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