天気図の見方を知って日々の生活に役立てよう

天気図の見方を知って日々の生活に役立てよう

2021.10.14 22:25
2021.10.14 22:26
雑記・雑学
天気図天気予報

毎日の天気予報は、その日の服装や傘などの持ち物、台風や豪雨など災害への備えといったことに役立ちます。気象予報士・お天気キャスターの解説を聞けば天気がわかりますが、天気図の見方を知らないという方は意外と多いのではないでしょうか。

そこで今回は、自分でも天気の予報ができる天気図の見方のポイントをいくつかご紹介します。気象情報会社、ウェザーマップ所属の気象予報士、服部千春さんにお話しをお聞きしました。

高気圧と低気圧

まずは「高気圧」と「低気圧」について。これは、周囲の気圧より高いか低いかによって決まります。一般的に高気圧は中心に下降気流があるため雲ができにくく、雨も降りにくい状態です。逆に低気圧は、中心に上昇気流があるため雲ができやすく、雨も降りやすい状況です

「高気圧でも、位置によって晴れないことがあります。高気圧は時計回りに風が吹き出しており、その中心の南側や西側は湿った空気が流れ込みやすく、油断できません。高気圧の中心が北日本や北海道付近にあるときは『北高型』と呼ばれ、関東方面に海から北よりの湿った空気が流れ込み、どんよりとした雲が広がって、いつ雨が降るのか予報も難しいです」

特徴的な気圧配置

【北高型】

続いては、季節による特徴的な気圧配置です。これから冬の時期に入ると多くなるのが、冬型の気圧配置とも呼ばれる「西高東低型」です。

「日本の西の大陸に冷たい空気を持った『シベリア高気圧』があり、発達した低気圧が東側にある場合、高気圧から低気圧に向かって冷たい北西の風が吹き込みます。この気圧配置は日本海側に大雪を降らせ、寒気の強さによっては雪雲が太平洋側の四国や東海などにも流れ込みます。一方、関東などは晴れて、カラカラの乾燥した空気をもたらします」

【西高東低の気圧配置】

冬とは逆に、夏型の気圧配置に多いのが「南高北低型」です。夏の主役である太平洋高気圧が南から日本付近を広く覆い、晴れをもたらし、強い日差しが地上付近に照りつけます。

「太平洋高気圧は、暖かく湿った空気を南風に乗せて運んでくるため、日本は蒸し暑い夏になります。この高気圧の等圧線の形が『クジラの尾型』になると、猛暑に要注意。日本付近を覆うようにクジラの胴体、そこから朝鮮半島や東シナ海にクジラの尾のような形が見えるのが由来です。夏の天気図でクジラのしっぽを見つけたら、注意しましょう」

【南高北低の気圧配置】

前線

続いては「前線」です。前線とは、暖かい空気と冷たい空気の境目のこと。違う性質の空気が混ざり合おうとして、前線上には渦を巻く低気圧も発生します。前線には、「温暖前線」「寒冷前線」「閉塞前線」「停滞前線」があります。

「一般的に、低気圧の東側に伸びるのが温暖前線、西側に伸びるのが寒冷前線です。温暖前線は南からの暖かい空気が北の冷たい空気に乗り上げている状態。低気圧が近づく前から長時間広い範囲で、比較的弱い雨を降らせるのが特徴です。一方寒冷前線は、北の冷たい空気が南の暖かい空気に潜り込んでいる状態。暖かい空気を無理やり押し上げるので積乱雲が発生しやすく、雨が強まり雷雨の恐れもあります。寒冷前線が通過した後、冷たい空気も一緒に流れ込んで、一気に気温が下がることもあります」

「閉塞前線は、寒冷前線が温暖前線に追いついたときにできる前線のこと。上空には暖かい空気、地表付近は冷たい空気に覆われて、大気の状態が安定し、低気圧が衰えている合図となります」

そして停滞前線は、季節が移り変わるときに天気図に現れます。夏から秋への変わり目の「秋雨前線」と、春から夏への変わり目の「梅雨前線」があります。

「夏から秋の分け目となる秋雨前線は、勢力を弱める太平洋高気圧と、中国大陸から涼しく乾燥した空気を運んでくる移動性高気圧の境目です。太平洋高気圧の衰えとともに秋雨前線が南下すると、秋本番となります。一方梅雨前線は、北海道付近のオホーツク海高気圧の冷たく湿った空気と、夏に勢力を増す太平洋高気圧の暖かく湿った空気の境目です。太平洋高気圧が勢力を強め、梅雨前線を北へ押し上げることで晴れる範囲が広がり、梅雨が明けていきます」

【梅雨前線】

秋から冬へ近づくこれからの季節、注意が必要な天気のひとつは大雪です。大雪に慣れていない都市部などでは、たとえ5㎝の積雪でも注意が必要。鉄道のダイヤの乱れや停電などが起こると混乱が起きるので、備えも大切です。

「冬場に太平洋側に大雪を降らせる原因は、ほとんどが日本列島の南岸を東へ進む『南岸低気圧』です。東京、大阪、名古屋などの都市部にも大雪を降らせることがあるので、雪が降るのか降らないのか、またどのくらい積もるのかなど、冬場の生活に大きく関わってくると思います」

また、冬の太平洋側は空気の乾燥にも要注意。火災や肌トラブルの原因となるだけでなく、ウイルスに対する防御能力が弱くなるといわれているので、住環境の加湿が重要です。

【南岸低気圧】

天気図だけでなく、天気の予報用語にもいろいろな種類があり、注意して聞くといいそうです。

「雪に慣れている地域でも、吹雪によって視界が奪われる『ホワイトアウト』には要注意です。『急速に発達する低気圧』『暴風雪』などのワードを天気予報やニュースで聞いたら、自分の地域の天気をこまめに確認しましょう」

「また、雨の強さと降り方では、『激しい雨』は『傘をさしても濡れる』、『非常に激しい雨』は『傘が全く役に立たない』と気象庁で定めています。比べてみると、体感は結構違います。私は、『非常に激しい雨』なら雨具はカッパや長靴のフル装備です。過去には、『非常に激しい雨』や『猛烈な雨』で土砂災害など命に関わるような災害が発生しています。天気予報で雨の降り方を聞き分けて、身の安全の確保に役立てていただけたらと思います」

自分で天気図から予報できると、日々の生活に役立つことが多いといいます。

「魚釣りでは風向きで魚の釣れ方が変わる、サーフィンでは風の強さや波の高さがわかる、登山では危険を避けることができるなど、自然を楽しむ趣味にも活きてきます。主婦の私は、洗濯ものを外に干す時間帯や外出のタイミングなど、天気図や雨雲レーダーで数時間先を予報しながら過ごしています。自分の予報でスムーズに過ごせた日は。より充実した一日を感じられる気がします」

普段の天気予報を見ながら、気になった天気図や気象用語などを調べてみるなど、学んでみてはいかがでしょうか。

関連記事