大人世代のライフスタイル提案メディア
若い世代の女性を中心に、お灸が静かなブームとなっています。お灸は、ほどよい温熱でツボを刺激し、不調や痛みを改善することもの。体に本来備わっている自然治癒力を高めて不調を改善することから、化学合成でつくられた薬のような副作用もなく、世界中で注目されています。
そもそもお灸の歴史は古く、2000年の歴史があるともいわれています。 お灸に使う「もぐさ」は天然のヨモギ100%。葉の裏を覆う綿毛だけを集めて細かく砕いたもので、生のヨモギ100kgからとれる量はわずか500g。日本では平安時代に和歌にも謳われ、徳川家康の命を救ったという逸話も!
しかし、いつの間にか「熱い」「煙い」「お年寄りっぽい」と敬遠されるように......。しかし、現代のお灸は驚くほど進化。火や高い温度の熱が皮膚に直接触れない工夫がなされ、熱さや痛みとは無縁です。
煙の出ないお灸や芳香を楽しめるお灸、さらには火をまったく使わないお灸も登場。美容や健康への意識が高い女性を中心に、改めて注目されているというわけです。
なかでもお灸初心者にオススメなのが、火を使わない温灸です。
突起の上のシールを剥がすと発熱剤の働きで、もぐさシートが温められます。底面のシールをはがして貼ると、温熱とヨモギの成分が浸透するという仕組み。しかも和紙シートが皮膚面の余分な水分を取除き、 低温やけどなど肌トラブルを防ぎます。
皮膚面の平均温度は40~50度で温熱持続時間は約3時間。 火を使わないから、貼った上に服を着ても大丈夫。煙もニオイもないので、仕事中や移動中も使えるのです。
実際に「火を使わないお灸 せんねん灸太陽」を使ってみると、ほどよい温熱とヨモギの成分が、体中を巡る経絡の要所・ツボをじんわりと刺激し、体が軽くなった気分に。血液やリンパ液、東洋医学で「気」と呼ばれるエネルギーの流れを整えてくれるのだと聞いて納得です。
お灸をすえるツボは、人によって体調によってそれぞれ。全身の経絡にそってくまなくあるツボから、自分の症状に合うツボをえらびましょう。
ツボの図解などでおおよその位置を調べてから、該当する部分の皮膚を触ってみましょう。 ハリがなくへこんでいるところ、押すと痛気持ちよさを感じるところ、肌がかさついているところが、お灸をすえるべきポイントです。
たくさんあるツボのなかでも、多くの症状を軽減するために役立つのが、足三里と三陰交です。
足三里は、膝の皿のすぐ下。外側のくぼみから指4本分下にあたるところ。足の疲れやむくみ、膝痛や腰痛、胃もたれや胸焼けだけでなく全身の健康管理のツボ。「奥の細道」の松尾芭蕉も旅に当たって足三里のお灸を欠かさなかったとか。
三陰交は内くるぶしの中心から、指幅4本分上がったところ。肩こり、腰痛、冷えやむくみ、のぼせ、月経不順や月経痛、肌荒れを軽減してくれます。
足三里、三陰交と合わせて、手の親指と人差し指の骨が交わったところ近くにある合谷も万能のツボ。いずれも自分で貼れる場所なので、お灸でのセルフメンテナンスに最適です。
お灸は一気にたくさんではなく、毎日少しずつ長く続けること。熱さを感じたらすぐに取り外すなど、無理をせず少しずつ慣れていきましょう。
なお入浴前後や食事の直後、飲酒後、発熱時は避けること。汗をかいたり皮膚が濡れていたりするときは、まずふき取ってから行うなどの注意事項を守りつつ、健康ライフのためのお灸を楽しみましょう。
2020.09.04 19:56 | |
2020.09.04 19:56 | |
美容・健康 |