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脱水症は夏だけのものと思ってはいませんか? じつは冬こそ要注意。体の水分が失われる原因は、汗や尿だけではなくありません。
皮膚や粘膜、呼気からの蒸発によっても、多くの水分が失われるのです。汗や尿による排出は「有感蒸泄(じょうせつ)」と呼ばれて本人に水分を失った自覚があり、失われた水分を補給しようという行動につながります。
これに対して皮膚や粘膜、呼気からの蒸発は「不感蒸泄」と呼ばれ、自覚がないまま水分が失われることから気づかぬうちに脱水が進みます。これが「隠れ脱水」なのです。
この「隠れ脱水」が起こりやすいのが冬場。冬はそもそも湿度が低く、空気が乾燥していることが多いもの。エアコンや床暖房、こたつなど暖房をつけている室内は、なおさら乾燥しています。
快適な湿度は40~60%といわれますが、冬場の室内の湿度は40%を下回ることもしばしば。空気の乾燥は、皮膚などからの水分蒸発を一層早めることになるのです。
また冬場は、気温が高い夏と違って喉の渇きを感じにくいうえ、冷たい飲み物をぐっと飲む気になりにくいもの。失われた水分を補給する機会も少なくなってしまいます。こうして、知らず知らずのうちに冬の隠れ脱水が、自覚のないまま進行していくわけです。
そもそも人間の体は、多くの水分から成り立っています。体重に占める割合は、成人で60%ほど、高齢者でも50%ほど。これらの水分は血液やリンパ液、消化液などの体液となって、私たちの体を正常に保つよう機能しているのです。
この大切な水分が失われると、どうなるか? 脳や消化器、筋肉をはじめとする体の機能がうまく働かなくなり、最終的には命の危険も。初期段階で隠れ脱水に気づき、対策をとることが肝心です。なんとなく頭が重い、集中力が続かない、胃がもたれる、体がだるい、力が入らないなどと感じたら要注意です。
この状態を放置していると、食欲減退、筋肉痛、足のつり、手足のしびれ、立ちくらみ、意欲の低下など、さらに症状は進行していきます。血液から水分が失われることで血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高くなるのも、脱水症の怖いところ。重篤な症状に陥らないよう、早め早めの対策を取りましょう。
まず大切なのは、隠れ脱水を自覚することです。口の中が乾燥しているな、皮膚が乾燥しているな、尿の色が濃くなっているなと感じたら、すぐに水分補給を。靴下を脱いで10分以上経っても跡が残り、唾を飲み込みにくいと感じたら、さらに要注意。手の甲をつまんで離した後で、その跡が3秒以上残るようなら、隠れ脱水確定です。
もちろん大切なのは、隠れ脱水にならないこと。こまめな水分補給がいちばんの対策です。目指すは1日最低でも1.5リットルの水分補給を。ついつい忘れがちになるという人は、朝目が覚めたら1杯以上の水を飲んで、その後も1~2時間ごとにアラームを鳴らして水を飲む習慣をつけましょう。特に朝イチの水が大切。私たちは睡眠中も汗をかいていて、体から水分が失われているからです。
水分を取るときに注意したいのは、何を飲むかということ。ジュースなど糖分の入ったものやコーヒー・紅茶などカフェインの含まれるものは避けましょう。水が苦手という人は、麦茶やルイボスティーなどカフェインレスのものがおすすめです。テーブルに用意をしておくと、手間なく飲めていいですね。学校へ行く子どもたちや出社する家族には水筒を渡しましょう。
室内が乾燥しないよう、湿度を保つことも「隠れ脱水」を防ぐためには大切。加湿器やエアコンの加湿機能をうまく使いましょう。また、定期的に窓を開けて空気を入れ替えることも湿度の維持に役立ちます。コロナウイルス対策と併せて、2~3時間に一度は換気しましょう。カーテンに霧吹きするのもいいアイディアです。
2023.01.12 19:16 | |
2023.01.12 19:17 | |
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