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日本で「汁気のある米料理」といえば雑炊やお粥ですが、これらとリゾットは何が違うのでしょう?
まず雑炊は、炊いたご飯をだし汁や具と一緒にさっと煮て、塩、しょうゆ、味噌などで味付けしたもの。鍋料理の〆に、冷や飯を使ってつくる人も多いでしょう。お粥は、お米を多めの水でやわらかく炊いたもの。一度炊かれたご飯に水を足すのではなく、お米からつくるのが雑炊との大きな違いです。
リゾット(risotto)
イタリアに古くからある麦料理に中東から伝わった米が融合した料理。Risottoという名の由来は諸説あるが、米(riso)と最高(ottimo)を組み合わせた造語からきているともいわれる。煮込んでやわらかくするのではなく、やや芯が残るようアルデンテに仕上げるのが基本。
リゾットは、ご存じのようにイタリアの代表的な米料理。炊いたご飯ではなく、生米をオリーブオイルで炒めてからスープで煮ます。具には野菜や魚介類などを自由に使いますが、欠かせないのは仕上げのチーズ。パルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりかけることでおいしさがアップするし、「イタリアらしさ」もグンと高まります。
詳しいつくり方はのちほど改めてご紹介しますが、リゾットは粘り気を出さないのが基本なので、米は洗いません。生米をそのままオリーブオイルやバターなどで炒め、スープや具を加えながら煮ていき、芯が少し残るくらいの「アルデンテ」に仕上げるのです。
「米を洗わない」「米を最初に炒める」というのは、日本の米料理と大きく異なるので、最初は違和感があるかもしれませんが、いざやってみると非常に簡単。米を洗う手間が省けるし、炒めるといってもオイルと軽くなじませる程度でいいので、面倒ではありません。さらに、「芯を残す程度に仕上げる」ため調理時間も短く済み、じつはとても手軽にできてしまうのです。
リゾットをおいしくつくるには、さらっとした食感に仕上げること、ダシの旨味を引き出すこと、チーズをけちらないこと。お米の種類は、日本とイタリアとでは違いますが、日本のお米で全く問題ありません。少しの米でかなりの量ができるので、1合もあれば2人前は十分にできます。
基本的なつくり方は、深めのフライパンにオリーブオイルを熱し(バターを少し加えるとコクが出ます)、にんにくや玉ねぎなどの「香りのある野菜」をみじん切りして炒め、オイルに香りが移ったら米を(洗わずに)入れてしばらく炒めます。米にオイルがなじんだら、魚介や野菜のダシ(ブイヨンでOK!)を米がしっかり隠れるくらい加え、水分がなくなってきたらさらにダシを加えて(常に米が浸るように)、これを繰り返していきます。フタはせず、水分の状態を見守りながら、約20分。塩と胡椒で味をととのえ、仕上げにチーズをたっぷりふりかければ完成です。
上記をふまえれば具やダシは自由ですが、ここではイタリアを代表するキノコ、ポルチーニを使ったレシピをご紹介します。乾燥ポルチーニは香りがよく、おいしいダシが出るので、リゾットにとてもおすすめ。ネットでも買えるし、最近はスーパーなどでも見かけるようになったので探してみてください。
盛り付ける際は、大きめの平皿の中央にこんもりと高めに盛るとおしゃれ感が出ます。
周りにベビーリーフや下ゆでした野菜を美しく並べても素敵。セルクルを使えば、高級リストランテのような仕上がりに!
日本で「パルメザンチーズ」というとアメリカ産の粉チーズが知られていますが、あのパルメザンチーズと、イタリアの料理に使われる「パルミジャーノ・レッジャーノ」は全くのベツモノです。
イタリアでは、このチーズを加えるだけで料理の味が格段に増すため、「台所のハズバンド(夫)」と呼ばれているとか。それだけ、パルミジャーノ・レッジャーノの味わい深さは特別なのです。
パスタにしてもリゾットにしても、材料やつくり方がシンプルであればあるだけ、おいしさの決め手はチーズの味にあるといっても過言ではないので、ぜひパルミジャーノ・レッジャーノを試してみてください。
ブロックで買えばかなり長持ちするし、少しずつ削ってふりかけるだけで、一挙に本格的な味わいに!
2019.07.09 20:53 | |
2021.07.05 15:22 | |
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イタリアン, リゾット, 雑炊 |