40代から骨を強くして介護予防~骨折がきっかけで要介護状態に

40代から骨を強くして介護予防~骨折がきっかけで要介護状態に

女性にとって「骨密度」や「骨粗しょう症」などの言葉は、ずいぶん身近になりました。

「骨密度」とは、骨に存在するカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかという骨量を示し、骨の強度を表します。骨は、骨代謝により日々新しい骨に生まれ変わっていますが、骨密度が減少すると骨が弱くなります。

「骨粗しょう症」とは、骨の強度が弱くなって骨折しやすい状態をといいます。骨粗しょう症は、自覚症状がとぼしいので気づきにくいのですが、65歳以上の女性の約半数が発症しているといわれています。

男性より女性に多いのは、50歳前後で迎える閉経によって女性ホルモンの分泌低下が原因です。女性ホルモンは骨を壊す細胞の働きを抑制する働きがあるため、分泌の低下とともに骨密度が下がり、骨がもろくなってしまうのです。

骨がもろくなると、ちょっとした転倒で骨折してしまい、歩行が困難になって、要介護状態になってしまう場合が少なくありません。実際、要支援や要介護になる理由として脳疾患や認知症と並んで、骨折や関節疾患が上位を占めています。

骨粗しょう症は、主に加齢によって引き起こされますが、年齢に関係なく運動不足や食生活におけるカルシウム不足も原因になります。若い頃の無理なダイエットなどで、骨がもろくなっている可能性もあります。

70歳や80歳になってから介護予防をするのではなく、骨密度の頂点に達した20~25歳前後をすぎたあたりから、骨を強くすることを意識しましょう。特に、閉経前の40代からは自治体などが実施する骨密度測定を定期的に受けるように心がけ、同時に骨を強くする生活習慣をスタートしましょう。

骨を強くする生活習慣:食事

生活習慣病予防と同じく、骨粗しょう症の予防や治療には、栄養バランスのとれた食事をとることが基本です。さらに、骨を強くする栄養素、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKを積極的に摂ることが重要です。特にカルシウムは、日本人に不足しがちな栄養素(厚生労働省の栄養調査)です。一度にカルシウムの多い食品を食べるのではなく、毎日の食事にうまく取り入れてコツコツとりましょう。

カルシウム

骨や歯を形成するだけでなく、筋肉の収縮、神経伝達物質を放出してイライラを鎮める、血液凝固や高血圧の予防などさまざまな役割がある。

カルシウム多く含む食品
牛乳・チーズなどの乳製品、豆腐や厚揚げなどの大豆製品、ひじきやしらす干しなどの海藻類、小松菜や春菊などの野菜など。

ビタミンD

体内でカルシウムの吸収を助ける重要な役割がある。骨粗しょう症だけでなく、がんや糖尿病などの生活習慣病を予防する働きもある。

ビタミンDを多く含む食品
サケ、サンマ、しらす干し、干ししいたけなど。

ビタミンK

カルシウムを骨に運んだり、カルシウムが骨から流出するのを抑えたりして、骨を強くする働きがある。また、ケガをしたときには、血液を固めて傷をふさいでくれる。

ビタミンKを多く含む食品
納豆、ほうれん草、春菊、小松菜、ブロッコリーなど。

注意:ビタミンKは、脳梗塞や心筋梗塞のため「ワーファリン(ビタミンK拮抗剤)」などの血液の抗凝固剤を飲んでいる人に対しては注意が必要です。

骨を強くする生活習慣:運動

運動不足は骨密度を低下させる要因になります。骨を強くするためには、食事などでとったカルシウムを骨に沈着させることが大切です。そのためには、体重などで骨に負荷をかけるウォーキングやジョギングなどの運動が有効ですが、相撲のしこをふむようなスクワットだけでも効果が得られます。

特別なことをしなくても日常的にエレベーターやエスカレーターを使わず階段の上り下りをしたり、こまごまと家事をして体を動かしたりすることでも骨を強くできます。また、紫外線を浴びることで骨を強くするビタミンDが体内で合成されます。

1日トータル15分ほどで大丈夫なので、買い物や通勤など、こまめに日差しを浴びるだけでよいでしょう。高齢者の方は、早朝散歩で紫外線を浴びる運動になります。

運動は楽しみながらすることで習慣化します。夫婦や友人とおしゃべりをしながらの散歩、愛犬の散歩などもよさそうです。

さらに、散歩は骨を丈夫にするだけでなく太ももの筋肉(大腿筋)の力をアップしたり、自然の音や香りで神経を刺激して五感の機能を維持したりすることにつながり、さまざまな点で介護予防に効果的です。

2019.05.28 21:38
老後・介護

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