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普段の食卓で乾物を使った料理というと、何が思い浮かぶでしょうか?
ひじきや切り干し大根、高野豆腐などを使った煮物、副菜といった地味なイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。また、お子さまが喜ぶ料理があまりないという方もいますよね。
そこで今回は、乾物を使ったボリューム満点のメイン料理から、スイーツ、災害時に作れる調理まで、"乾物のイメージが変わる"アレンジレシピをご紹介します。京都に本社工場、店舗を構える乾物専門店「京山城屋」の高橋さんに、お聞きしました。
「京山城屋」では、クックパッドにて多くの乾物レシピを公開しています。今回はそのなかから厳選してご紹介しますが、どのレシピも「乾物でこんな料理もつくれるのか!」「家族が喜びそう!」「おいしくダイエットできそう!」などと思えるものばかりです。
「乾物は、先人が食品の保存性と栄養素を高めるために考えたもので、現代でいうインスタントフードだと考えます。昨今、安全で良質な食品の需要が高まり、食育やスローフードが見直されているなか、乾物は日本の食文化に欠かせない食材といえます。健康のために、さまざまな栄養素を含み、添加物などを使っていない乾物を使ったおいしい料理をぜひ楽しんでください」
最初にご紹介するのは、高野豆腐を使った「角煮風!高野豆腐の肉巻き」。豚バラのかたまり肉ではなく、薄切り肉を高野豆腐に巻いてつくります。
高野豆腐は味が染み込みやすいので、通常の角煮のように長時間煮込む必要がなく、ヘルシーかつ満足感があるので、手軽にできるレパートリーにぜひ加えていただきたいです。食べたとき、高野豆腐に浸み込んだ出汁や肉などの旨味がジュワっと出てくるのも、この料理の魅力です。
高野豆腐は、木綿豆腐と比べると成分の割合に大きな違いがあります。成分の多くを水分が占める木綿豆腐に比べて、大豆の栄養素が凝縮された高野豆腐はタンパク質が約7倍、カルシウムが約5倍、鉄分が約7倍だといわれています。麻婆豆腐やゴーヤチャンプルーなどで、木綿豆腐の代わりに高野豆腐を使うのもおすすめです。
こちらは「高野豆腐の油淋鶏」。鶏肉の代わりに高野豆腐を使い、フライパンで揚げ焼きにします。タレをたっぷりかければ、ジューシーでおいしく、ボリュームのある一品に。タレを自分流にアレンジすると、楽しみが広がります。
続いては「細かい具材も食べやすい!ポケットサンド」です。ここでは、ひじき・ごぼう・人参・椎茸・昆布の乾燥ミックスにベーコンとたまごを合わせたものと、乾燥人参にツナを合わせたもの、2種類のレシピですが、自分流のアレンジで楽しみが広がる一品です。
ポイントは、いつものサンドイッチの具材に細かい乾物を加え、マヨネーズやチーズ、たまごなどを程よく合わせて食べやすく仕上げること。ポケットサンドにすることで、具材がこぼれずに食べられます。
続いては「簡単アレンジ☆アボカドと長ひじきの梅和え」。上記のようなサンドイッチの具材にもなり、おつまみやおかずにもなる一品です。ひじきは地味な食べ物というイメージが強いかもしれませんが、アボカドを合わせるとグンと食べやすくなります。地味な食材こそアレンジ次第でおいしく食べられる、楽しい食材といえるのではないでしょうか。
レシピでは、三重県産のひじきを使用しています。ひじきの品質・味は「国産>韓国産>中国産」といわれており、国産のなかでも三重県産は柔らかく良質といわれています。
続いてはお麩を使った料理です。お麩は他の食材と置き換えることで、さまざまなアレンジが楽しめます。高野豆腐と同じように肉の代わり使えばヘルシーでボリュームのあるおかずになります。チキンの代わりに車麩を使った「車麩のチキン南蛮風」のレシピも人気だそうです。
お麩の主原料はグルテン(植物性タンパク質)なので、肉(動物性タンパク質)をお麩に置き換えることで栄養バランスがよくなり、カロリーオーバーを防ぐことにもつながります。
こちらは「麩スイーツ!車麩のフレンチトースト風」です。パンの代わりにお麩を使い、仕上げにきな粉と黒蜜をかけて和風スイーツに。バターやココナッツオイルで風味豊かに仕上げるのもポイントです。
次にご紹介するのは「ビニール袋で作る☆サバイバル乾物サラダ☆」です。乾物は半年~1年など長期保存ができ、軽くて小さいので収納もコンパクト。使う分だけ水で戻せばいいので、災害時やアウトドアにもってこいの食材です。
この乾物サラダは、ビニール袋に切り干し大根などの乾物と水を入れて戻し、ツナを合わせてつくる簡単&栄養豊富な料理。ビニール袋のまま器に乗せれば、食器を洗わずに済みます。非常食として乾物をストックすることや、ライフラインが止まった際につくれる料理を覚えておくと、いざというときに役立ちます。
最後に、乾物で料理を楽しむ、食を楽しむためのアドバイスをいただきました。
「煮物やサラダ、炒め物など幅広く使える千切大根(切り干し大根)、ひじき、はるさめなどは、常備しておくと重宝します。また、ごま、乾燥ねぎ、乾燥にんにく、唐辛子、昆布など調味料的乾物も、料理をおいしくしてくれます。お子さまに乾物のおいしさを体感してもらう工夫としては、焼麩を細かく砕いてハンバーグの種に混ぜる、乾燥人参をたまご焼きに入れる、白玉粉やだんご粉を使って親子で菓子を手づくりするなど、好きなおかずやお菓子に乾物を使っていただけたらと思います」
2023.03.03 21:49 | |
2023.03.03 21:57 | |
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