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「食品ロス(フードロス)」とは、食べられる状態なのに捨てられてしまう食品のこと。農林水産省及び環境省のデータ(平成27年度)によると、年間約2,842万トンの食品廃棄物のうち食品ロスは約646万トン(このうち約半分は家庭から発生するもの)と公表されています。食品廃棄物の2割以上が、売れ残りや期限切れ、食べ残しなどにより廃棄された "まだ食べられるもの"、ということになります。
また、京都市で行っている家庭で出る生ごみの詳細な組成調査(平成28年度)によると、家庭の燃やすごみのうち約4割が生ごみで、そのうち約4割が食品ロスであることが分かったとのこと。
食品ロスは、環境問題をはじめ深刻な社会問題であると同時に、家計の無駄のひとつでもあります。そこで今回は、家庭でできる食品ロスの減らし方と無駄な出費をなくす方法について、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにお話をうかがいました。
家庭で食品ロスを出してしまう大きな原因は、消費できない量を買ってしまうことです。
「たとえば、アボカド1個150円、3個なら300円で売っていたとしたら3個買いたくなりますが、1個しか食べなかったら1個300円で買ったようなものですし、2個無理やり食べたとしても単価は150円です。お得だと思ってまとめ買いしたけれど、消費しきれない場合、食品ロスを出すと同時に家計として損をしているのです」
食品のまとめ買いは、意外と高度なテクニックが必要だといいます。
「今日はポイント何倍デーだからまとめ買いする、という場合も同じです。ポイントがたくさんついてお得に感じても、普段あまり使わない食材やたくさん食べない食品を買って、結局捨ててしまっては損になります。レトルトなど賞味期限・消費期限が長いものはまとめ買いしつつ、生鮮食品など期限が短いものは使うことが見えているときに都度買うということ。これは、食品ロス削減の対策であると同時に、家計のテクニックとしてとても大事なことです」
店舗側が、賞味期限・消費期限が間近の商品や季節限定商品などを特別価格で販売することも、食品ロスを削減するひとつの方法です。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングといったネットのモール店の「訳あり」「アウトレット」コーナーを利用したことのある方も多いでしょう。
また、食品ロスに取り組む社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI.jp」では、期限の短い商品などをお得な価格で購入でき、購入金額の一部が社会活動団体への支援金として寄付される仕組みになっており、注目されています。
こういった商品をうまく利用することで家計の節約になるとともに、食品ロス削減につながります。
「自分の家で食べきれるものや、身近な人とフードシェアできるものなど、期限内に消費できるかどうかをしっかり考えて購入することが大切です。ネットショップでは、"あれもこれもお得だから欲しい"となりがちですが、見すぎると買いすぎる傾向にあるので、使うものだけをチェックするようにしましょう」
実店舗でいうと、夕方ごろにスーパーで値引きされているお惣菜などをうまく利用することも、ひとつの方法です。
「お惣菜などは、今日買って今日食べられるものと考えて購入するのが基本だと思います。半額だからといって1個買うところを2個買うのは、無駄につながりやすいといえます」
「期限がたくさん残っている状態の商品を定価で買うということは、いつ使うかわからないものに保険を払っているようなもの、という考え方もできるかもしれません。大切なのは、価格の高さ・安さに惑わされず、消費できるものを計画的に買うということです」
「冷蔵庫のなかで捨ててしまうことが多いものは何か?」「食べきれない量を買ってしまうものは何か?」などと考えてみること。また「冷蔵庫のなかにあるものと期限をチェックしてから買い物に行く」「安いからといって安易に買いすぎない」などを習慣づけること。皆さんが今すぐできることから始めてみましょう。
2019.06.03 18:03 | |
2019.07.26 15:11 | |
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