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冷蔵庫に常備して、いつも何気なく食べているたまご。単純に値段が高いほうがおいしいと考えている方も多いと思いますが、料理によって最適なたまごが違うのをご存じでしょうか。
今回は、普段使うたまごの選び方から料理をもっとおいしくするコツ、ちょっと変わったたまご料理まで、料理別の専用たまごを開発・販売する「小林ゴールドエッグ」のたまごソムリエ・小林真作さんに話をうかがいました。
まずは、たまごの選び方。ポイントのひとつは「たまごのサイズ」です。大きいサイズは白身の割合が高く、小さいサイズは黄身の割合が高い傾向にあるといいます。
「ざっくり言うと、白身の多い大きめのたまごは加熱でふわとろになりやすく、黄身の割合が高くて濃厚さを味わえる小さいものは、たまごかけご飯や目玉焼きに向いています。茹でたまごは、半熟などのコントロールがしやすく白身と黄身の割合が黄金比となるMサイズが最適です」
ポイントのもうひとつは、殻の色ときめ細かさ。赤たまごは少しクセの強い風味のものが多く、白たまごは香りのクセが少ないものが多いそうです。
「どちらかというと赤たまごは和食向きの風味、白たまごは焼き上げる料理やケーキなどに向いています。また、赤たまごの殻の色が濃くきめ細かいものは弾力性があり、若鶏が産む傾向にあるので、たまごかけご飯や目玉焼きをよりおいしく食べられます。逆にオムレツやたまご焼きでは高い弾力性によって硬い食感になりやすいので、殻の色が薄くばらつきがあるものを選ぶとふわふわ食感がつくりやすいです」
ではここから、食べ方・調理法別のおいしく食べるポイントをご紹介します。
「当店のたまごかけご飯専用たまごの特徴は、①茶碗1杯のご飯にぴったりの大きさ、②醤油・出汁に最高に合う濃厚な黄身となる飼料飼育、③濃厚たまご白のなめらか食感となる産み始め半年以内の若鶏が産むたまご、この3つです」
次は「目玉焼き」です。
「当店の目玉焼き専用たまごの特徴は、①鶏の一生のうち3ヶ月しかとれない超若鶏のたまご、②コクの強い原種に近い鶏種から黄身と白身が黄金比のサイズを厳選、③四国の自然を生かし開放式農場飼育で育てた手摘みたまご、この3つです」
続いては「茹でたまご」。少ないお湯で茹でるので、フライパンでつくれます。
「当店の茹でたまご専用たまごは、地元徳島産のわかめ海藻粉末、さつまいも、すだち粉末などの天然成分と有機飼料を配合しています。茹でたときに黄身の甘味が濃厚で、香りのクセや臭みが極端に少ないのが特徴です」
続いては「オムレツ」。絶妙なとろふわ感に仕上げるポイントがこちらです。
「当店のオムレツ専用たまごは、①加熱でとろふわ食感になりやすいじっくり育てた熟鶏のたまご、②白身の比率がやや多いたまご、③バターと相性のいいハーブなど植物性飼料中心で育てた開放式農場飼育の手摘みたまご、この3つが特徴です」
さてここからは、小林さんおすすめのちょっと変わったたまご料理をご紹介。
アメリカでよく食べられるパーティー料理「デビルエッグ」です。固茹でたまごをつくり、半分に切って黄身を取り出し、マヨネーズ、スパイス、好きな具材を和えます。
「簡単なのに見栄えがして、いろいろなバリエーションが楽しめる料理です。胡椒、マスタード、カレーパウダー、パプリカパウダー、粉山椒、コリアンダーシードなど、お好みのスパイスを加えて仕上げましょう」
続いては超簡単「たまごのピクルス」。いろいろなレシピがありますが、最も簡単でおいしいものがこちらだそうです。
「西洋ではポピュラーな料理です。たまごにマヨネーズをつけて食べたり、タルタルソースに使ったりと絶品。炒めるのもおすすめです。びっくりするくらいおいしいので、ぜひお試しください」
最後は、ダイエット中の方にもおすすめのたまご料理です。サラダとたまごを一緒に摂ると、野菜に含まれるαカロテン、βカロテン、リコピンなどのカロチノイド栄養素の吸収量が約5倍になるそうです。
「たまごの良質なたんぱく質と野菜の栄養をより多く取ることができ、満足感も得られる『温泉たまごのサラダ』はおすすめです。また『たまごスープ』は、油を使わずにでき、多くの野菜が一緒に摂れるなど、ダイエットにぴったりです」
料理別のたまご(現在83種)のつくり分け、研究開発、たまご料理レシピの開発など、たまごのことを発信し続けている小林さん。毎日の食卓にたまごをうまく取り入れるアドバイスをいただきました。
「コツはゆる~く使うことでしょうか。たまごの賞味期限表記は『生食の場合』なので、加熱前提なら必ずしも厳密に考えなくてもよく、『賞味期限を過ぎちゃったらたまご焼きに』など、ゆるい考え方でたまご料理を楽しむといいと思います。また、たまごは世界で約3万のレシピがあるといわれているので、ぜひ世界の味を楽しんでみてください」
2021.05.27 21:12 | |
2021.05.27 21:14 | |
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