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おうちで過ごす時間がたっぷりある今、家族でいろいろな "自家製" を楽しむ人が増えています。自家製酵母のパンも、そのひとつ。
"酵母"というと一見、特別なもののようなイメージがありますが、もともとはフルーツの皮や種のまわりに自然についているもの。
私たちのご先祖さまは、その酵母を上手に増やし育てる方法を見つけて、さまざまな発酵食品を生み出してきたのです。
家庭でもできる昔ながらの方法で果物から酵母を育てるのは、楽しいもの。日々、目に見えて様子が変わっていくのを見るのは、生き物を育てるのに近いものがあります。
時間をかけてじっくりと、まずは酵母を育ててみましょう。
準備するのはフルーツと水、発酵を促すための少量の砂糖。最も手軽なのはレーズンですが、レーズンを使う場合は、砂糖は不要。
レーズンそのものが十分に甘く、その糖分を食べて酵母が増殖してくれるのです。
ここでポイントをひとつ。
レーズンはオイルコーティングされていないものを選ぶこと。
オイルコーティングされたレーズンは酵母菌を起こしにくいのです。
さらに欲をいえば農薬や化学肥料不使用のオーガニックレーズンを使えば、安心安全です。
まずはガラスの保存容器にレーズンを入れて水を注ぎます。
分量はレーズン100gに対して水は400mlほど。
ここで2つめのポイントです。
ガラス容器は十分に煮沸消毒しておくこと。
カビや腐敗を防ぐことが成功への第一歩です。
他の道具も煮沸消毒してから使いましょう。
レーズンがかたまらないようヘラなどで軽くほぐしたら蓋をして常温保存します。
温度変化が少ない場所を選びましょう。
冬場は他の季節に比べて温度が低いため発酵までに時間がかかりますが、カビなどの心配がなく初心者がトライするにはよい季節。
1日に1回、蓋を開けて容器を軽く揺すります。
こうすることで酵母が空気に触れて発酵が進むわけです。
発酵が進むと、レーズンが水面に浮き液の色が変わって、水面が泡立ちます。
7日から10日経って発泡が落ち着き、レーズンが沈んだら酵母液の完成です。
レーズンを濾して液を冷蔵庫で保管します。
ここで3つめのポイントです。
レーズンをこす前に必ず全体をシェイクしすること。
容器の底に沈殿した酵母菌を余すことなく混ぜ合わせるましょう。
パンを焼くには、一般的にこの酵母エキスを使って元種をつくりますが、一刻も早く酵母パンをつくって食べたいなら、酵母液をそのまま使うストレート法がオススメ!
よく混ぜ合わせた酵母液と強力粉、塩、砂糖、牛乳を混ぜ合わせて手でこねます。
ここに小さくちぎった無塩バターを足して、さらにこねましょう。
グルテン膜がしっかりできればOKです。
ここで4つめのポイントを。
冷蔵保存した酵母エキスを使う場合は、必ず常温に戻しておくこと。
温度が低いままでは発酵がうまく進まないから気をつけましょう。
できた生地は室温で半日~1日寝かせて発酵させ、ガス抜きして成形します。
パンの大きさや形は、イースト菌で起こした生地と同じようにお好みでOKですが、初めてなら失敗が少ない定番の丸型やなまこ型がよいでしょう。
成形したら室温で2時間ほどさらに発酵させて焼き上げます。
一般的な家庭用オーブンで焼く場合、温度や時間は大きさによりますが、50gほどのベーシックな生地ならば190度で15分ほど。
一般的なパンづくりに共通することですが、オーブンはしっかり予熱しておきましょう。
オーブンがない場合は、フライパンでも大丈夫。
ただし生地は小さめに。
シンプルな丸パンがオススメです。
軽く温めたフライパンにクッキングシートを敷いて生地を並べ、弱火でそこに軽く焦げ目がつくまで焼き、裏返して両面を焼きます。
厚手の鋳物鍋、スキレットでもおいしく焼きあがります。
焼きあがったパンはふっくらモチモチ。
酵母のよい香りが口に広がります。
レーズン酵母液は、パンはもちろんスコーンやパウンドケーキなどの焼き菓子にも使えます。
レーズン酵母液でおいしいパンやお菓子が焼けたら、リンゴやみかん、イチゴなどのフルーツ酵母にも挑戦を!
キッチンが実験室のように楽しくなります。
2021.01.14 19:56 | |
2021.02.05 20:27 | |
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