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オイスターソース(Oyster sauce)
広東省を発祥とする中華調味料の一種。カキ油とも呼ばれる。牡蠣(カキ)の煮汁を煮詰めて調味料などを加えたもの、または、塩漬けの牡蠣を発酵させた上澄み液。広東料理を中心に、煮込みや炒め物などに幅広く用いられている。
旨味たっぷりの牡蠣エキスを主原料とし、小麦粉やデンプンなどのとろみ成分で濃度を調整して、砂糖や調味料を加えて調味したものをオイスターソースといいます。国やメーカーによって味わいやとろみ具合には違いがありますが、いずれも濃厚な風味と旨味があるのが特徴です。日々の料理にうまく取り入れれば、おなじみの野菜炒めや肉料理などにコクがプラスされ、ひと味違った仕上がりに。
オイスターソースは中国広東省が起源といわれています。中国では一般的に生で牡蠣を食べる習慣はないそうで、塩蔵した後、干して食べるのが普通でした。あるとき、塩蔵中に副産物としてできる上澄み液に豊かな旨味とコクがあることが発見され、炒め物の隠し味として使われ始めたといいます。後に、その上澄み液をさらに濃縮させて砂糖などで調味し、濃厚な液体調味料がつくられ、これがオイスターソースとして販売されるようになったのです。
オイスターソースがどうしてそこまでの旨味を出せるのかというと、主原料である牡蠣に、グリシン、アラニン、タウリンといった旨味成分が豊富に含まれているため。日本人にとって「ソース」というと、ウスターソースやとんかつソースなど、出来上がった料理に「かけて使う」というイメージが強いかもしれませんね。
オイスターソースはもちろん「かけて使う」こともできますが、それ以上に調味料として使うことで料理をリッチな味わいに仕上げてくれます。「ほかのソースで代用できないかな?」と考える人もいるでしょうが、あの旨味をほかのソースで再現するのは至難の業。ぜひキッチンに常備しておきたいソースなのです。
もっとも簡単な調理法は、茹で野菜や炒め野菜に「かけて使う」方法。たとえばレタスやチンゲンサイ、小松菜などの葉野菜をお湯と塩少々で軽く茹で、ざるにあげて水気を切ってから、オイスターソースで和えるのです。ソースの味がストレートに出るだけに、どのメーカーのものを使うかによって仕上がりは変わります。オイスターソースはどの調理法でも、使いすぎるとくどさが出てしまうので、まずは少量ずつ加えていき、味見をして砂糖や塩などを足してもよいでしょう。
広東省の家庭料理でもよくつくられているのが、野菜炒め。お好みの野菜を強火で素早く炒め、オイスターソースをまわしいれればできあがり。こちらも、味を見て、必要なら塩や砂糖などで味をととのえてみてください。牛肉や豚肉、エビやイカとの相性も抜群ですから、肉野菜炒めや海鮮炒めにもぴったり。程よいとろみのおかげで素材にもなじみやすく、コク深いまろやかな味わいに仕上がるので、いつものメニューもひと味違った仕上がりに。盛りつけの仕上げにフライドオニオンなどを飾ると立派な一皿になります。
餃子を手づくりする人は、具の隠し味として加えるのもおすすめ。ボウルにひき肉とみじん切りして塩揉みしたキャベツ、ネギなど好みの野菜を入れ、ここにオイスターソースと顆粒のチキンスープを少量ずつ加えて粘りが出るまで練るのです。具にしっかりと旨味がついていることが餃子成功の決め手のひとつなので、ぜひお試しを。いつもの中華スープや和え物に隠し味として加えたり、小龍包のタレに入れたり、ほんの少量でも旨味がアップします。いろいろ挑戦してみましょう!
鉄板やフライパンひとつで簡単にできる焼きそば。縁日などでもよく見かけるおなじみのメニューですが、それだけにあまり「特別感」のない料理といえるかも?でも、いつもの焼きそばも、オイスターソースで味付けすることで、本格的な味わいに変身します。
「香港風焼きそば」「オイスターソース焼きそば」など呼び名はいろいろですが、使用する調味料はオイスターソースと少量のしょうゆ、酒(紹興酒があれば紹興酒)だけです(お好みで塩こしょうや顆粒のチキンスープを加えても!)。具は、ニラ、もやし、にんじん、キクラゲ、豚バラ、イカなど好きなものを自由に使えばOKです。麺がぱさついているとおいしくないので、仕上がりを見ながら、ごま油やお湯を加えて調整しましょう。
2019.07.11 22:04 | |
2019.07.26 15:40 | |
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