• ホーム
  • 老後・介護
  • 知っておこう介護のこと~老人ホームの探し方・選び方と相談員コラム

知っておこう介護のこと~老人ホームの探し方・選び方と相談員コラム

知っておこう介護のこと~老人ホームの探し方・選び方と相談員コラム

超高齢社会を迎え、ひとり暮らしに不安を感じたり、介護が必要になったりという理由から老人ホームへの入居を検討する人が増えてきました。

一口に老人ホームと言ってもさまざまな種類があり、大まかに公的な介護施設の特別養護老人ホームと民間の老人ホームに分けられますので、其々の違いを解説します。

  1. 老人ホームの探し方
  2. ホーム見学のポイント
  3. 入居に必要な身元引受人・連帯保証人とは
  4. ホームで受けられる医療的ケア

老人ホームの探し方

民間のホームの中には、主な介護サービスは外部の介護事業者を利用するタイプの「サービス付き高齢者向け住宅」「住宅型有料老人ホーム」や、包括的に施設から介護サービスが提供されるものとして、認知症の方たちが共同生活をする「グループホーム」や「介護付有料老人ホーム」などがあります。

老人ホームというと寝たきりや車椅子などで介護が必要になってから入居するというイメージを持つ人も多いのですが、ホテルライフのようなホーム、仲間との交流が多いホーム、趣味を楽しめるホームなど多様なニーズに対応しています。

また、一昔前の老人ホームの持つイメージとは様変わりし、明るくて清潔な館内、日々行われる多彩なレクリエーションや外出イベント、食事は栄養管理された上に盛り付けや彩りにも配慮し、見た目も楽しめる工夫などもしています。地域の人や子どもたちとの交流も活発に行われ、入居者がやりがいや役割を持って暮らせるホームが増えています。

高齢者本人の老後の住まいへの要望や好み、経済的な条件が一致する老人ホームに入居できれば、安心して心豊かな老後生活を送れそうです。

介護相談もできる無料の老人ホーム紹介センター

老人ホームへの入居を決め、ホームを探し始める高齢者本人や家族のほとんどが「ホーム探しの初心者」です。終の棲家になる可能性が高いので、心地よく暮らせるホームを慎重に選びたいものです。ところが、有料老人ホームは全国に12,570棟、サービス付き高齢者向け住宅も4,839棟(平成28年厚生労働統計)ある中で、自分にあった住まいを見つけるのはとても困難です。インターネットや雑誌で探しても、本人や家族だけでは判断に困ることも多いので、第三者のアドバイスが頼りになります。地域包括支援センターや公的な相談窓口もありますが、有料老人ホームの情報が意外に少なく、選択肢の幅が狭くなる傾向にあります。

無料の老人ホーム紹介センター

そこで活用したいのが、老人ホームを紹介してくれる民間の「老人ホーム紹介センター」です。メールや電話ではなく、直接相談員と面談ができる会社もあるのでホーム探し初心者には安心。本人の住まい方の希望や身体状態、介護度、経済的な状況や家族関係などをじっくり聞いてもらえます。相談員は数多くの老人ホームの中から、相談者の要望や状況にあった施設を探し、無料でいくつか提案、紹介してくれます。

民間の紹介センターは数多くあり、中には、紹介する老人ホームのデータ数が少なかったり、特定の施設に偏っていたり、相談員に介護知識が少ないというところがあるので注意が必要です。老人ホームの情報を多く持ち、介護知識が豊富な相談員がいる紹介センターでは、入居先を探すだけでなく介護相談も受け付けています。

老人ホーム探しは、親が病気やケガで介護が困難になったことをきっかけに始めるケースが少なくないのですが、待ったなしの状況となり、かなりあわててしまいます。本人の満足度が高いホームに入居するためには、親が元気なうちから過ごし方の好みや要望を聞いておくことも大切です。それを元に紹介センターを活用すれば、介護のプロの相談員と早めに出会え、いざというときに心強いでしょう。

老人ホーム見学のポイント

老人ホームへ入居することを決めたら、次は受けたいサービスや立地、経済的な条件などを確認して、いよいよ探し始めます。

老人ホーム

老人ホームは毎日を過ごす生活の場所であり、終の棲家となる可能性が高いので入居する本人と家族が納得できる選び方をしたいものです。そのためには、見学が欠かせません。パンフレットやホームページの情報だけでは、ホームの雰囲気やサービスの質はわかりません。条件にあったホームを2~3ヶ所に絞り込んで、比較検討することが大切です。

見学は予約が必須です。急な訪問では、担当者の不在やほかの見学者の対応などで十分な説明が受けられないことがあります。見学日時が決定したら、資料を見て気になった点、例えばサービスや食事内容、看護・医療ケア、入居にかかる費用や月額利用料、その他費用のことなど、聞いておきたいことをメモしておきましょう。

見学は1人ではなく2~3人で行くなど、複数の視点があるとより安心です。可能であれば、老人ホーム紹介センターの相談員などのプロの目もあると更に心強いです。1度の見学ですべてを確認することが難しければ、納得できるまで何度でも行きましょう。その場合は前回と時間帯を変えると、ホームの違った表情が見られます。

なお老人ホームは入居者の方たちの生活の場です。見学時はよそのお宅を訪問しているという心構えとマナーで行動しましょう。

ホーム長は必ず紹介してもらいましょう

ホームで楽しく暮らすためには、一緒に生活する方たちの雰囲気が大切なポイント。見学は多くの入居者がダイニングに集まっている昼食時がおすすめです。年齢や男女比、要介護度がどれくらいの人たちが多いのかがわかります。また、ホームの住み心地を大きく左右するのが、スタッフです。

入居者に対する態度や言葉遣い、身だしなみなどはしっかりチェックしましょう。また、居室や共有スペース、入浴設備などは見学しながら、清掃が行き届いているか、衛生管理がなされているかを確認しましょう。掲示板には季節行事やレクリエーションの様子などが写真とともに飾られていたり、食事の献立や1ヶ月のレクリエーションやイベントの予定などが掲出されていたりして、ホーム生活が垣間見えます。

見学では入居相談員から説明を受けることも多いのですが、必ずホーム長も紹介してもらいましょう。ホーム長は施設運営のかじ取り役であり、スタッフの上司です。施設運営やスタッフ教育についての考え方、ホームの特徴などをできれば直接聞きながら、人柄を確かめられるとよいでしょう。

さらに、運営法人の確認も大切です。近年は介護を専門とする企業だけでなく、医療系、不動産・建築系などの参入が増えてきています。大手企業であっても、運営法人の交代や倒産した例もあります。経営母体の介護事業の実績、財務状況、事業理念などを確認しておきましょう。

老人ホームのショートステイ

「まだ入居はしないが、試してみたい」という場合は、ショートステイ(介護保険サービス外の場合もあります)を行っているホームであれば、それを使ってみることもできます。

ショートステイは在宅介護をしながら活用するサービスですので、有料老人ホームを試すのに適しています。事前に何度かショートステイを利用してみて、良かったホームに後から入居するというケースも多くあります。

よく耳にする「体験入居」は本契約を前提としている場合が多く、入居を決めたホームのスタッフや入居者の雰囲気や、入浴や食事、排泄ケアなどの実際のサービスが合っているかを最終確認するためのものです。利用できる期間は、1泊2日のところもあれば、1~2週間など、ホームによりさまざまです。

入居に必要な身元引受人・連帯保証人とは

老人ホームへ入居する際にはほとんどの場合、連帯保証人・身元引受人を立てることが必要になります。連帯保証人は、月額利用料などを入居者本人が支払うことができなくなった場合、代わりに支払う義務を負います。身元引受人の役割は、以下の3つです。

  1. 入居者本人が病気やケガをしたなど緊急事態の連絡窓口になり、医療機関への入院手続きなどをする。
  2. 入居者本人の判断能力が低下してきた際には、本人の立場に立ってホーム側と話し合い、意思決定を行うこともある。
  3. 契約解除や入居者本人が亡くなった場合、身柄引取りや遺留品の整理・引き取りを行う。

こうしてみると身元引受人の役割や責任は決して軽いものではありません。さらに亡くなったあと葬儀やお墓、相続などもあり、高齢の配偶者ではなく現役世代の子どもなど親族が引き受けることが望まれます。遠方に住む長男が連帯保証人になり、近隣に住む長女が身元引受人になるなど、兄弟姉妹・家族で役割を分担することも多いようです。

子どもたちで親のホーム暮らしを支えられればよいのですが、近年の少子化や未婚率の上昇などで独身や子どものいない1人暮らしの高齢者が増加しています。そのため甥や姪にお願いする人も増えてきましたが、身近な親族がいないケースもあります。その場合、身元保証を請け負う社団法人やNPO、民間企業などもありますが、早めに地域包括支援センターなど公的な窓口に相談するとよいでしょう。

親と一緒にエンディングノートを書こう

エンディングノートを書こう

老人ホームから身元引受人に連絡が入るのは、病気やケガなどの緊急時だけではありません。要介護度が上がったり、認知症が進んだりした場合、食事内容や介護サービスの変更などこまやかなやりとりが必要になってきます。日頃から親の日常生活をサポートしてくれるスタッフとよりよい関係作りをしておくと、介護の専門家ならではのアドバイスももらえますし、いざというときに連携がとりやすくなります。

そのため、週1回、月1回など定期的にホームを訪問する家族も多く、「ホームに入居してからのほうが親と過ごす時間が増えて、親孝行ができる」という声もよく聞きます。

親が安心して楽しく過ごせるホーム生活にするためにも、身元引受人である家族の役割は大きいもの。そのためには、親のことをよく理解していなければなりません。

エンディングノートを書こう

親が元気なうちに身元引受人の役割を伝え、預貯金や保険、不動産などの資産、年金についてなど確認しましょう。

看護や介護の希望も聞いておくと、いざというときの判断材料になります。しかし、親とはいえなかなか聞きづらい内容でもあります。そこで活用したいのが、エンディングノートです。

エンディングノートとは、自分の終末期や死後に、家族が様々な判断や手続きを進める際に、必要な情報を書き残すためのノートです。お金のことだけでなく、親の好きな食べ物や趣味、親戚や友人関係のリストなど、楽しく書き込めるノートを選ぶとよいでしょう。

親だけでなく子世代にも必要なエンディングノート、一緒に書き始めようと誘えば、親も抵抗なく受け入れてくれるでしょう。

ホームで受けられる医療的ケア

老人ホームに入居すると、家族や親族は「入居したから、健康な毎日を送ってくれる」と安心しますが、老人ホームは医療施設ではなく、あくまでも生活の場。介護スタッフや看護スタッフによる見守りや日常的な健康管理・服薬管理はしてもらえますが、24時間つきっきりというわけにはいきません。

自宅暮らしと同じように転んで骨折したり、病気になったりすることもあります。そんなときは医療機関を受診し、場合によっては治療や手術のために入院が必要になります。入院の手続きや入院中のお世話、退院までの対応は家族が行いますが、ホームによっては支援をしてくれる場合もあります。

退院後は要介護度が増しても、基本的にはホームに戻ることができます。問題は、医療依存度が高くなり暮らしていたホームでは対応できない医療行為(医療的ケア)が必要になった場合です。

医療的ケアとは医師または医師の指示を受けた看護師などの医療従事者が行う治療や処置などのことです。点滴など医師や看護師のみが行える処置のほか、理学療法士が行う理学療法(リハビリテーション)、介護職員が行う服薬介助なども医療行為に含まれます。

看護職員に可能な医療行為は、インシュリン注射、床ずれの処置、たんの吸引、中心静脈栄養、胃ろうなどの経管栄養、在宅酸素、人工呼吸器の管理などがあります。この中の胃ろうなどの経管栄養、たんの吸引の2種類は、研修を受けた介護職員にも許されています。

入居時はそれほど医療依存度が高くなくても病態の変化が予測される場合には、ホームで対応できる医療的ケアについてしっかり確認しておくと良いでしょう。

手厚い医療的ケアを受けられるか専門家に相談

医療的ケアはすべての老人ホームで対応しているわけではありません。多くの老人ホームでは医療依存度に応じて入居基準を設定しており、糖尿病で食事管理が必要な人、胃ろうやカテーテルなどの医療処置が必要な人など、入居者が必要とする医療的ケアに対応できるかどうかはホームによって異なります。近年は高齢化に伴い医療法人が運営する老人ホームなど、医療依存度が高い人でも入居できる老人ホームも増えてきましたが、人気が高く満室のホームも少なくありません。

介護と医療は切っても切り離せない関係であり、介護度が上がれば医療行為を必要とするケースも増えてきます。どれだけ手厚い医療的ケアを受けられるかは、看護職員の有無や勤務体制(昼間のみ、24時間勤務など。看護職員が24時間常勤している場合は、夜間のたんの吸引、朝食前のインシュリン注射、体調に合わせた経管栄養摂取などに対応できる)、医療機関との連携、日常的な健康管理、機能訓練指導員(リハビリ専門員)の有無、緊急時の対応や体制、さらには看取り体制など、多くのチェックポイントがあります。

現実的に老人ホームを探すときは、まったなしの状況が多いものです。老人ホームは種類も数も豊富になってきているため、家族や親族だけで本人の満足度が高いところを選ぶのは困難な状況になっています。

民間の老人ホームを紹介してくれる「紹介センター」には、老人ホームの情報を多く持ち、介護や医療の知識が豊富な相談員がいます。今必要な介護と医療的ケア、これから必要になりそうなことなど、老人ホームの専門家である紹介センターの相談員に相談して適切で質のよいホームを探すことをお勧めします。

相談員が解説!老人ホームへの入居はいつがいい?

高齢者の一人暮らしや夫婦暮らしが不安になってきた。かといって、今すぐ施設に入るほどでもない。そんなとき、「老人ホームに入居するタイミングはいつがいいの?」という疑問を皆さん抱くのではないでしょうか。

老人ホーム探しをサポートする老人ホーム紹介センターに寄せられる相談には、「今すぐ入れるホームを探したい」といったような急ぎのケースが多くあります。例えば、同居の母親を娘さんが頑張って介護していましたが、娘さん自身が体調を崩してしまい一刻も早くホームを探さなければならなくなったケース。例えば、自宅マンションでそれなりに元気に一人暮らしをしていましたが、火の元の不始末で小火を起こしてしまい急遽ホームに入居することになったケース。ほんの一例ですが、いざ施設を探そうという時には「待ったなし」の状況であることが多いようです。

『負担』を感じる少し手前から

老人ホームは『負担』を感じる少し前から探しはじめるということです。

老人ホーム探しのきっかけは、本人の食事、排泄、入浴などの変化が一つのサインとなりますが、それよりも意識していただきたいのが介護する側の状況です。

介護の負担が増して、仕事や家庭・プライベートの時間に影響が出る、ストレスを強く感じるなど、いわゆる「介護疲れ」の状態になってからでは、物理的にも精神的にも余裕がなくなり、本当にその方にふさわしいホームをじっくり見極めることが難しくなります。

また、ホーム入居の際は、見学、健康診断書の準備、本人面談、契約の段取りが必要となっており、申込みから入居まで平均すると約2~3週間はかかるのです。いざという時に慌てることのないよう、できれば本人が元気なうちからどんなホームに入りたいのかなど家族で話をしておくことをお勧めします。

ただ、いきなり家族が「老人ホームを探しましょう」とお話ししても、本人は受け入れにくいと思いますので、まずはどんな老後を過ごしたいのか、もし介護が必要になったらどんな生活を大切にしたいのかなど、将来について話をし、不安を解消するひとつの手段として老人ホームという選択もあることを伝えておくとよいと思います。

相談員が解説!老人ホームで働く人たち

老人ホームで働くスタッフについて、どのようなイメージをお持ちですか?ホームに入居することになった時、またはご家族をホームに預けると決めた時、「ホームではどんな人がお世話をしてくれるの?」という心配があるかと思います。

ホームのスタッフは職種も、経歴も、資格も、実に様々です。身の回りのお世話をしてくれる介護職(ヘルパー)、医療面のフォローをする看護職員、リハビリの専門職がいるホームもあります。施設長やケアマネジャー、入居相談員。掃除専門のスタッフや用務さんがいるホームもありますし、調理師、栄養士など厨房のスタッフもいます。往診のドクターや歯科衛生士が関わることもあります。

介護職に限って言えば、福祉を専門に勉強して、新卒で採用になったスタッフもいれば、他の仕事を経験して転職してきたスタッフもいます。20代の職員もいれば、60代のパートさんもいます。

スタッフの資格の有無も大切だけれど

「ホームを選ぶ時には、資格を持っているスタッフが多い方がいい」と書いてある本もあります。確かにそれも一つの目安になるでしょう。しかし、老人ホーム紹介センターの相談員を長年やっているスタッフに聞きますとそこにこだわりすぎる必要はないそうです。

ホームで暮らし始めた時に、自分と趣味が合う職員がいた、自分と同郷の職員がいた、自分と同じ経験をしてきた職員がいた、理由は分からないけどウマが合う職員がいた……。そういったことが、暮らしを楽しくする、又は安心して暮らす大切な要素になることもあるのではないでしょうか。

一人の入居者の方のことを想い、どのように関わることがその方にとって幸せなのかを考える時、多くの違った考えを持つスタッフがいることが、その方のためになると考えています。

老人ホームへの入居をお考えの方は、見学の際に、是非スタッフさんにも注目してみてください。

相談員が解説!気になる老人ホームの食事

みなさんは老人ホームの食事にどのようなイメージを持っているでしょうか。栄養のバランスはとれているが、味気ない器に盛られた病院食のようなものをイメージする方もいらっしゃるかもしれません。ですが、最近の老人ホームでは食事に力を入れているところも多く、ホテルのようなお食事を楽しめるホームも少なくありません。

季節の食材を取り入れたり、歳時に沿った献立を工夫したりと、多くのホームでは食事をとても大切なことと捉えています。和洋中のバラエティも豊富です。民間の有料老人ホームでは、ご家庭の食卓に出てくるのと変わらない、瀬戸物の器で提供されるホームが多くなってきているとはいえ、特別養護老人ホームや安い価格帯の施設ではプラスチック素材の食器で提供されるホームもあります。

食べる場所もホームによって様々です。レストランのようなダイニングルームがあるホームもあれば、居室からの動線にあるリビングルームで、家庭的な団欒を楽しむホームもあります。

食事はホームで作っているのか、食器はどんな素材を使っているか等、知りたいことはたくさんありますが、百聞は一見に如かず、いや百聞は一食に如かず、ということで、まずはご自身で味わっていただくのがいちばんだと思います。多くのホームでは事前にお願いしておけば見学時に試食することができます。(※ご高齢になると塩味を感じにくくなるので、ご家族とは意見が分かれることはあります。)毎日のことですから食事がおいしいことはとても大切ですね。

身体の状態に合わせた食形態

また、食事の味と同じくらい大切なこととして食形態があります。 高齢になってくると咀嚼しにくくなったり、唾液の分泌量が少なくなったりと摂食機能が低下していくことがあるため、今まで食べてきた物であっても食べにくくなります。例えば、お茶やお味噌汁等はサラサラとしていて喉に流れ込み易く、気管に入り込んでしまう誤嚥(ごえん)につながる危険があるため、注意が必要です。

多くのホームでは、食形態を段階分けしており、お一人おひとりに合ったお食事を提供しています。お茶やお味噌汁が飲みにくいと分かれば、トロミをつけて飲みやすくします。

通常食から一口サイズ、刻んであるもの、トロミのかかっているもの、軟らかく調理したもの、ペースト状のもの等様々です。

細かな段階分けや塩分制限のある方への対応等はホームによって異なるため、ご入居される方に合った食事が提供できるのか確認が必要です。

相談員が解説!老人ホームでできる「リハビリ」

「リハビリ」と聞いて、どんなことをイメージされますか?老人ホームへの入居を検討するときに、「リハビリができるホーム」を希望する人も多いと思いますが、ホームでのリハビリといっても、実は身体の状態や、本人の意思によって必要な環境はかなり異なります。

生活リハビリが適している場合

例えば、「家族はたくさんリハビリをさせたい。でも本人は辛いリハビリはもうしたくない」といったケースはよくありますが、本人に意欲がない場合は、リハビリの専門家が常駐し、トレーニングマシンの設備が充実しているホームに入居したとしても、なかなか身体機能は向上しないものです。そのような場合は、ホームでの「生活リハビリ」程度が十分かもしれません。

「生活リハビリ」とは、マシンを使ったトレーニングではなく、日々の生活の中で「自分で出来ることはなるべく自分で行うこと」によって、身体機能を回復・維持させるものです。例えば、お部屋から食堂まで毎日3回往復することや、車イスの方が食事の際はイスに移乗したり、お手洗いまでの短い距離だけでも手引きで歩行したりすることも立派なリハビリになります。

本人のリハビリへの意欲が強いなら

反対に、本人に意欲があり、回復の伸びしろがある場合は、やはり理学療法士や作業療法士といった専門職が常駐しているホームが有効です。個別リハビリや小集団リハビリなど、一人ひとりの状態に合わせて専門職によるリハビリを受けることができますし、専門職が常駐していることで状態を常に評価することができるので、介護職員と連携して日々の生活にも反映させることができます。

ただ、リハビリテーション病院でのリハビリと比べると、ホームでのリハビリは回数・時間が大きく異なり少ないものです。理学療法士や作業療法士が常駐しているだけで安心せず、「週に何回くらいリハビリをしてくれますか?」と質問をしてみてください。理学療法士が常駐していても、一対一の個別リハビリは1回20分×週1~2回程度が平均的ですが、稀に退院後などの一定期間は週5回くらいリハビリを実施してくれるホームもあり、ホームによって内容は異なります。

また、理学療法士が常駐しているホーム以外でもリハビリを受ける方法があります。それは「介護付有料老人ホーム」ではなく、「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」に入居することです。

「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」であれば、介護保険を使用して、外部のリハビリ型デイサービスや訪問リハビリを利用することができます。介護度とお身体の状態によっては、回数・時間を多く受けることができるかもしれません。

「リハビリの専門職がいる施設でなければ」と断定せず、お身体の状態と本人の意欲、ご希望内容によって選択肢を広げてみてください。

2019.05.26 18:26
老後・介護

Related entry

Pickup entry