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昨日になりますが、6月16日は何の日かご存じですか?和菓子の日、なんですよ。由来は平安中期にさかのぼります。
当時、国内に疫病が蔓延したため、仁明天皇が元号を「嘉祥」と改め、その元年の6月16日に16にちなんだ菓子や餅を神前に供えて健康招福を祈ったのだとか。その後も、6月16日は厄除けや招福を願って菓子を食べる行事となり、時代に合わせて形を変えながら、江戸時代まで続いたそうです。
この吉例を現在によみがえらせたのが「和菓子の日」。この日に合わせてデパートで和菓子フェアが開催されたり、老舗の和菓子店が「嘉祥菓子」を販売したりしています。6月は梅雨に入ってうっとうしい日々が続きますから、涼しげな和菓子を食べる、贈る、というのもいいですよね。
涼しげな和菓子といえばおすすめがあります。まずはこちら。金沢にある石川屋本舗の「かいちん」です。
かいちんとは、おはじきのこと。金沢ではそう呼んでいたそうです。葉っぱや桃、うさぎなどいろんな形のかいちんがあり、そこから着想して作られた干菓子です。淡い色合いとモチーフの愛らしさがたまりません。シャリっとした歯ごたえで、中にはやわらかいゼリーが入っています。食べるのがもったいないほどですが、シャリシャリいくつも食べられそう。
次も金沢のお菓子。金沢って乙女チックな和菓子が多いんですよね。茶菓工房たろうの「もりの音」です。
かいちんと同様の砂糖菓子。小さなキューブがかわいい!大きさは1センチほどで、おちょぼ口にぴったりのサイズです。プレーン、抹茶、黒糖、ブルーベリーの4つの味。味も色も素材の持ち味をそのまま活かし、自然なおいしさです。どこかなつかしい食感とちょうどいい甘さが口に広がって、これまたさわやかに食べられます。
もうひとつ金沢のお菓子。諸江屋の落雁です。
プレゼントにしたら間違いなく受けそうなこの形。落雁自体もかわいいのですが、箪笥にちんまりきちんと収まった様が、また何とも言えません。諸江屋の落雁は味や形、パッケージもさまざまなので、いろいろ買ってみたくなります。プレゼントにもおすすめ。
最後は、今の季節ならではの生菓子を。とらやの「紫陽花」です。
白と紫のそぼろで紫陽花が表現され、きらきら光るしずくに見立てた琥珀糖が透明感を添えています。こういうきんとん製の和菓子は、先の細い箸を軽くぬらして、お菓子の底をそっとはさみ、すくうようにして皿に移すといいそうです。そうそう、このタイプの生菓子にはたいてい正面と背面があります。作り手の意図をそのまま味わえるよう、正面をこちらに向けましょう。
6月の別名である「水無月」の名を持つ和菓子もあります。白い外郎生地に小豆をのせ、三角形に切られた京都の菓子で、1年の折り返しに当たる6月30日に、半年間の罪や穢れを祓い、この先半年の無病息災を祈願する神事「夏越祓」で用いられるもの。
京都では、6月になると多くの和菓子屋さんに並び始め、スーパーなどでも売られるほどおなじみの菓子です。老舗の有名店では本来の風習にならい、6月30日のみ販売するところも。私もまだ食べたことがないので、いつか出会ってみたいものです。
美しい四季と歴史に育まれてきた日本ならではの和菓子。干菓子も生菓子も風情があって、それぞれに素敵ですよね。日本の歴史を知りながらいただくのも、楽しいのはないでしょうか。6月は和菓子をあれこれ試してみませんか。
2019.06.17 17:49 | |
2022.10.04 14:01 | |
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