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最近「日本酒っておいしいよね」と共感しあえる友達が増えました。私自身、日本酒に魅せられて、利き酒師の資格まで取っちゃったくらい、非常に奥深く、すばらしいお酒なのです。
一方「日本酒は悪酔いするし、酒臭くてニガテ」という声も聞きます。アルコールそのものがダメだという人ならいざ知らず、お酒は好きだけど日本酒だけはどうもニガテだと・・・。そういう人には「多分、今まで飲んだ日本酒がよくなかっただけ。ホンモノのおいしい日本酒を飲んでみて!」とすすめています。
「ホンモノのおいしい日本酒」は、良質な酒米と清らかな名水を使い、吟味を重ねて仕込まれます。吟醸酒という言い方を聞いたことがありますよね?吟醸というのはまさに、吟味して醸されたお酒、ということです。糖類なども添加して大量生産されるお酒とは、本質が違うのです。
秋には、各蔵元から「ひやおろし」(春先に絞られた新酒を暑い夏の間、蔵の中で寝かせて熟成させたもの)が出回ります。そのまろやかで落ち着いた酒質は、冷やでも燗を付けても美味。ご近所の酒屋さんで、ちょっと探してみてはいかがでしょう?
ひやおろしのやわらかい味わいもおすすめですが、「日本酒がニガテ」という人には、私はまず大吟醸を推薦します。香りが華やかで、白ワインのように軽い飲み口──。中でも、味・香り・デザインと三拍子揃っているのが、兵庫県の西山酒造場が醸す「路上有花(ろじょうはなあり)」です。
美しいブルーのボトルにシルバーの文字。見た目からして、日本酒のイメージを変えてくれます。
香りは、洋梨や蜂蜜を思わせる、甘くフルーティな芳香。一口含むとスッキリ軽やかで、ノドをスーッとなめらかに通り抜けます。
日本酒がニガテだと話していた友人も「え?これが日本酒!?」と驚き、「おいしい、おいしい」と喜んでいました。世界的に有名なワイン評論家ロバート・パーカーも絶賛していますし、もうホント、とにかく一度は飲んでみていただきたい!
世の中に食前酒・食後酒として知られるお酒は多々ありますが、日本酒の特徴のひとつは「食中酒」としても優れていること。食材の味を邪魔しないばかりか、旨味をさらに引き立ててくれます。
当然、和食との相性はバッチリですし、パスタやエスニック料理などに合う日本酒もあります。種類や銘柄によってじつに多彩な味と香りが楽しめるのです。
たとえばお刺身は、シンプルに醤油で、という王道はもちろんOK。路上有花のようなスッキリとした味わいの日本酒なら、カルパッチョにしてもぴったり合います。
そして自宅で日本酒を味わうときは、酒器選びも楽しみのひとつ。
純和風なお猪口ももちろんよいですが、私は北欧デザインの巨匠カイ・フランクがデザインしたショットグラスを合わせたりしています。
路上有花は720ml入りで5,000円。高いと感じるかもしれませんが、このお酒はいわば日本酒の最高峰。ワインの最高峰なら、こんな値段では買えませんよね?ワインと同様に、いえ、もしかしたらそれ以上に、手間暇かけて丁寧に仕込まれる日本酒が、このお値段なんです。私としては感謝の念と共に、大切に大切にいただきたいくらい。
ところで、路上有花は米と米麹と水だけで仕込まれる純米大吟醸です。大吟醸とか純米とか、そういう分類には明確な定義がありますし、この区分を知っておくと、味のイメージはつかみやすいのですが、少々ややこしいので、今回は省略しますね。まずはこの路上有花で、日本酒のおいしさに目覚めてください。
2019.06.16 22:26 | |
2019.07.26 15:22 | |
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