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お金をかけてゴージャスに暮らすのと、節約しながら手間ひまかけて丁寧に暮らすのと、あなたならどちらの暮らし方を選びますか?
もちろんお金はあったほうがいいけれど、一見豪華な使い捨ての生活より、知恵を働かせて日々を大切に生きるほうが、豊かだと思います。
昔から日本に伝わる知恵や工夫、美しい暮らし方を、少しでもマネできたら。子どもにも伝えられたら...。でもそれにはやはり、「お手本」がほしいですよね。
今回は「泊まっている間はこの上なくリラックスできて、家に帰ってから自分の暮らしを見直したくなる」、そんなお宿をご紹介します。
島根県大田市大森町、通称「石見銀山」にある「他郷安部家」(たきょうあべけ)。築220年の武家屋敷を見事に再生させた宿泊施設です。
古ければ何でもいいというわけではありません。他郷阿部家では、もともとあった「古き良きもの」を最大限に守りつつ、新しいものも柔軟に取り入れながら丁寧に一つひとつを創り上げてきました。
ホテルという雰囲気ではなく、他郷阿部家に暮らす女性オーナー、松場登美さんの生活の中に、お客さんとして招き入れてもらっている感じです。夕食も、登美さんを含む阿部家のスタッフたちと、みんなで一緒に家族のようにいただきます。
食事は心のこもった手づくりのメニュー。かまどで炊いたごはん、季節の野菜を取り入れたシンプルだけど芯の強い、おいしいおかずが食べきれないほど並びます。これぞ、ごちそうです。
ないものはつくる。こわれたら直す。毎日目にする身近なものこそ、そこにあるのが苦にならない見せ方をする。そんなことを当たり前のように積み重ねている登美さんの暮らし方から学ぶことは少なくありません。
「経済的に余裕があるから古民家を買い取れたのではなくて、まず買い取ろうと決めて、後からお金を工面してきました。夫婦そろって、古き良きものが廃れていくのは見過ごせない性分なんです」と笑う、登美さんとゆっくり語らえるのも、ここに泊まる大きな価値といえます。
かまどで炊くごはんはマネできませんが「丁寧に時間をかけることを惜しまない」「日々の暮らしを楽しむ」ということは、大いにマネしていきたいものです。
登美さんが早起きして用意してくれた、おいしい朝食を味わいながら、あらためてそう思いました。
2019.06.11 21:36 | |
2021.09.17 12:39 | |
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