安いお肉をやわらかくする裏技や豚の背脂を賢く活用する方法


あぁ、お腹すいた!今日の夕飯は何?


冷蔵庫にきのうのお豆腐が残っているから……


えー、また豆腐~?僕、お肉が食べたい!


大丈夫よ、同じ材料でも工夫しだいで全く違う料理になるんだから。今日はね、残り物のお豆腐で肉団子を作るよ。


肉団子に豆腐を入れるのかい?


そう。豚挽き肉と木綿豆腐を混ぜるからボリュームが出て、かなり安上がりなの!


豆腐が入ると食感がやわらかくなるし、栄養も摂れていいねぇ。


材料をすべてボウルに入れたら、手で豆腐を潰しながら粘りが出るまで混ぜます。途中、ボウルにたたきつけて空気を抜きつつ、しっかり混ぜましょう。お好みでしょうゆや味噌を加えても。


でしょ。良太が喜ぶように、揚げて、野菜たっぷりのあんをかけようかと思って。


あんかけ肉団子?おいしそう!


挽き肉料理をおいしくするなら、豚の背脂も使えるのよね。


セアブラ?


いかにも太ってしまいそうな響きだねぇ。


あはは、脂だもんね。でも、旨味を出すためにほんの少量加えるだけだから。店頭ではあまり見かけないけど、お肉屋さんに「豚の背脂ください」って頼むとたいてい売ってくれるし、これがまた、すっごく安いの!冷凍しておいて、餃子を作るときなんかにちょっと加えると、できあがりがプロっぽくなるよ。


たしかに、節子の餃子はおいしいよね。


なんだか、僕、餃子が食べたくなってきたよ。


じゃぁ、明日は水餃子と焼き餃子を作ろうか。冷蔵庫の野菜もたくさん入れよう。

豚の背脂でいつもの餃子がプロの味

餃子のあんを作るとき、挽き肉を使うのも手軽でいいですが、もっとお得においしくしたいなら、豚肩ロースと背脂を混ぜて使いましょう。背脂を加えることで脂肪のねっとり感がほどよく引き出され、コシとコクが生まれます。肉を切るのはフードプロセッサーを使ってもいいし、包丁で粗みじんにして食感を残すのもおすすめ。背脂の割合は、豚肩ロース200gに対し50~60gほど。塩を少々加えて、よく練り混ぜておきましょう。

ここに、水に戻した干ししいたけ、にんにく、しょうが、長ねぎなどをみじん切りにして加え、塩、しょうゆ、オイスターソース、コショウなどで調味します。水気が出すぎないように、仕上げに片栗粉を少々加え、冷蔵庫で1時間ほど寝かせましょう。むきエビを加えてもおいしくなります。エビは安いもので十分!混ぜ込む前に下処理(背ワタを取り、塩ひとつまみと片栗少々でもみ、水洗いをする)をしてザルに上げ、ペーパーでしっかり水気を拭いて生臭みを消すのがポイントです。


それにしても、今年ももう終わりだねぇ。12月はクリスマスやら何やらで、肉料理が登場する機会も増えるんじゃない?。


僕、ステーキ食べたい!


ほほほ。肉団子も餃子もいいけれど、たまにはお肉をしっかり食べたいよねぇ。安い肉でおいしいステーキを作るコツっていうのもありそうね?


ステーキは肉そのものを味わう料理だから、本当はロースやサーロインがいいんだろうけど、いいお肉はやっぱり高いからねー。かといって、安い部位は霜降りの脂肪が少ない分、そのままだと硬さが気になるし。


煮込み料理なら問題ないけどね。スジなんかも長時間煮込むと、とろ~っとしておいしいじゃないの。


ステーキ、ステーキ!!


はいはい。安い肉だって、工夫しだいでやわらかくできるよ。


まずは肉たたきで繊維質を切っておかないとね。たたきすぎると、かえって味が落ちるから、ほどよく。


焼いたときの縮みを防ぐために、包丁で繊維に対して直角に浅い切り込みを入れておくのもポイントかな。


飲み残しのビールやワインに漬けておくと肉がやわらかくなるっていうじゃないの。


煮込み料理にはいいよね。ウチはそもそも「飲み残し」っていうのが出ないけど……。ステーキの場合、フルーツを利用するといいと思うよ。


果物がお肉をやわらかくしてくれるの?


パイナップルやパパイヤにはタンパク質を分解する酵素が含まれているんだって。でも、パインやパパイヤって高いから私はキウイを使うの。皮を剥いて刻むか、熟れていれば手でつぶして、肉を漬け込むだけ!あまり時間を置くとボロボロになるから15~30分ぐらいかな。


塩コショウで下味を付けた後、焼く直前に片栗粉を少~しだけまぶしておくと、肉汁が閉じこめられてジューシーに仕上がるって聞いたことがあるよ。


へぇ、それはぜひやってみよう!あとは、焼き方。弱火でじっくりやると肉がぱさつくから、中火でミディアムレアぐらいに焼くのがいいよね。良太は生っぽいのがニガテだから、さいころステーキにしようね。


肉をやわらかくするのに使ったキウイは?捨てるの?


まさか!お肉を焼いた後のフライパンにキウイを入れて、バルサミコ酢、はちみつ、しょうゆなどと一緒に煮詰めて、ソースにするの。おいしいよ~!

フルーツの力をもっと活かす

果物の中には、肉をやわらかくする酵素を持つものがあります。とくにパパイヤやパイナップルはこの酵素の働きが強く、キウイよりも短時間でやわらかくなるそう。その分、漬ける時間が長すぎると肉がぼろぼろになるので、部位や厚さなどに合わせて適した時間を見付けましょう。

バーベキューや焼き肉を作る際は、ソースやたれにこれらのフルーツを使い、漬け込んでから焼くのもおすすめ。ただし、この酵素は生でしか働かないので、加熱したフルーツや缶詰では効果がありません。リンゴの「リンゴ酸」も肉をやわらかくするので、たとえば鶏肉の唐揚げを作る際、しょうゆや酒などと一緒にりんごの絞り汁を少量加えて下味を付けておくと、やわらかくジューシーに仕上がります。