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おばあちゃーん、ちょっといーい?
はいはい、どうしたの?
かぼちゃと茄子が安かったからたくさん買ったんだけど、さっきお隣からもいただいちゃって。毎日同じようなメニューだと良太がいやがるし、うまく保存できないかなと思って。冷凍庫もいっぱいだし、何かいいアイデアない?
電気代もガス代もかからなくて、野菜の旨味や栄養まで増える方法、節子は知らないのかい?
わ! そんなすばらしい方法があるの!? なになに!?
天日に干すんだよ。うちのベランダでもできるよ。秋は湿気が少ないから乾きやすいしね。
干し野菜かぁ! もっと教えて!!
干し野菜の基本的な作り方
野菜を日なたに置いておくと、即席「乾物野菜」のできあがり。天日に干した野菜は冷蔵庫でしなびた野菜とはワケが違います。たとえばかぼちゃはさらに甘くなるし、きのこは香りが増すし、どんな野菜もとにかくおいしくなるのです。
やり方はとても簡単。野菜の皮をむき(種類によっては皮のまま)、適当な大きさに切ってザルや新聞紙に並べ、天日に干す。それだけです。
雨さえ降らなければ少しくらい曇っていても大丈夫。特別な道具も場所も要らないし、電気代もガス代もかからない。太陽ってホント、ありがたい!
干す時間はお好みで。みずみずしさを残したい場合は、2~3時間、歯ごたえを楽しみたい場合は半日程度を目安に。数時間だけ干した野菜は水戻しも不要で、手軽に使えます。長期保存をしたいなら、数日かけてカラカラになるまで。途中で裏返すとまんべんなく、早く干し上がります。
何日かにわけて干すときは、途中でカビが生えないよう、日が暮れたら取り込んで冷蔵庫に入れておくと安心です。
せっかく安く買っても、冷蔵庫に長く入れておくとシナシナになっちゃうもんね。干し野菜なら新鮮なままおいしさを閉じこめられるわけだ。
そう。すぐに食べない野菜は干すといいよ。にんじん、玉ねぎ、きゅうりにじゃがいも。なじみの野菜も干すだけで味わいが変わるんだよ。水分が抜けるから、炒めてもべちゃっとしないし。
いいことだらけね、干し野菜って。なんたって太陽は電気代がかからないもん。すばらしいなぁ。
節子はそればっかりねぇ。でもホント太陽の恵みはどんどん使わせてもらわないと。洗濯物を干すだけじゃもったいないよ。私は塩水にさっとくぐらせてから干したりもするよ。やわらかい塩味が付いて、さっと素揚げするだけでもおいしいの。
なるほどね。干し野菜にしておけば調理前に洗ったり皮をむいたりする手間もないからラクそう! 暇なときに干しておいて、忙しい日にそれを使えば時間も有効に使えるね。
そうよ、時間だって「ムダ使い」するのは節子の性分に合わないでしょ?
さすがおばあちゃん、よくわかってる! 善は急げ。良太ぁ、ちょっと来て。
なぁに?
野菜を干すの、手伝って。お日様で野菜を乾かすと、甘~くおいしくなるのよ。
へぇ、おもしろそう! やろうやろう!
干し野菜は、家庭菜園でとれた野菜や安い時期にまとめ買いした野菜など、どんなものでもできます。とくに根菜がおすすめ。キュウリやトマトなど水分の多い野菜は少しコツが要りますが、根菜は干し方も簡単。
洗って土を落とし、皮はむかずに適当な大きさに切り、ザルに乗せて日なたに干すだけ。かぼちゃ、いも類、にんじん、れんこん、ごぼうなど、いろいろ一気に干しちゃいましょう。薄切りのほうが仕上がりは早いですが、煮物に使うなら乱切り、炒めるなら薄切りなど、調理法に合わせて切ると便利かも。
ごぼうやじゃがいもなどはアクで変色しますが、そのまま使って問題なし。かぼちゃやにんじんは色も変わりません。干すことで甘味や風味が増すので、素揚げや素焼きでおいしくなります。つまり、調味料も少なくてすむのです。揚げる際も、すぐにからっと揚がるので助かりますよ~!厚切りにして煮込む際は、少し時間をかけてやわらかくなるまで煮てみましょう。